この日、結婚式を掛け持ちすることは友人も知っており、当日余興のリハーサルができないことも伝えていたのでトラブルになることはなかったとか。それでもこの時点で遅刻はほぼ確定だったので「小心者なので新幹線で移動中もそればっかりが気になってしまい、すごく憂鬱でした」と話します。
「上司の披露宴ではアルコールをほとんど口にしなかったので酔ってはいませんでしたが、このとき履いていたパンプスはおろしたてだったので靴ずれを起こしちゃって足が痛くて。
かかとも皮が剥けていて、駅のコンビニで絆創膏を買って貼りましたけど、おかげで急がなきゃいけないのに早く歩くことができずに大変でした」
会場のレストランには式がスタートしてから15分遅れで到着。目立たないようにこっそり着席しましたが新婦にはバッチリ見られていたようで、茜さんに向かって手を振ってきたそうです。
「彼女にも前々から話していましたが、晴れ舞台に遅刻して怒っていたらどうしようって不安でした。でも、笑顔を見せてくれたからそれに救われました。余興の歌は音程を外して少し失敗しちゃいましたが、喜んでくれたみたいなのでよかったかなと思っています」
式には昔の友人たちが大勢集まっていたため、二次会では完全に同窓会のような雰囲気に。余興という大役を終えてようやくホッとしたこともあり、それまで控えていたお酒を飲み始めたら止まらなくなり、いつになく飲み過ぎてしまったといいます。

「久々に会う友達も多かったし、なんだかうれしくなっちゃって。始まったのが遅かったこともありますが三次会まであって、ホテルに戻ってきたのは夜中の1時過ぎ。このときはベッドに倒れ込むように横になり、そのまま爆睡。
次の日、目が覚めたらチェックアウト時間の30分前でシャワーを浴びる余裕もありませんでした。前日メイクを落とさなかったので顔だけ洗いましたが化粧する時間はなく、ほぼスッピンの状態で東京の街に出るハメになってしまいました(苦笑)」
それでも良くも悪くも今まで出席した結婚式の中ではこの2つが一番印象に残っているそうです。
「けど、痛かったのは結婚式にかかる出費。2回分のご祝儀6万円だけでなく、これに交通費やホテル代、パンプス代や美容院代などもあり、トータルの出費は12万以上。月収の半分が消えてしまい、次の給料日までもやし中心の激安自炊生活でしのぐことになってしまいました(苦笑)」
結婚式をはしごしても疲労ならすぐに回復しますが、懐具合はそうはいかないようです。
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結婚式のトンデモ話―
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<文/トシタカマサ イラスト/カツオ>
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。