一緒に遊んで楽しいのは年下彼、甘えさせてもらって自分が“女であること”を強く意識するのは年上彼。ただ、年上彼には歌舞伎や能などの芸能文化も連れていってもらっている。
「何も知らずに年をとるところだったと反省しています。世の中には自分の知らない素敵なことがたくさんある。年上彼は、25年近く連れ添っている奥さん、就職した息子さん、大学生の娘さんがいて、今も仲がいいみたい」
ただ、年上彼の家族にはまったく嫉妬がわかないという。こんな素敵なお父さんがいたらいいなとは思うが、彼を家族から奪いたいとは1ミリたりとも考えないのだそう。
「もうできあがっている人ですからね、大人として。いい家庭が彼を作った。私はその彼を少し借りているだけ。そんな気がします。でも大好きですよ、恋してる。
年上彼は時間の自由が利く仕事なので、平日夕方から会うこともありますし、週末、一緒に舞台などを観に行って食事をしてホテルということも。朝方、別れることもありますね。でも彼を家には入れません。
彼は私にとって“外で会う人”。あくまでも非日常の恋だから。年下彼は日常の恋なんです」
そのあたりはうまく使い分けているようだ。だが、年下彼が知ったらもめごとになるのではないだろうか。
「私自身は、二股をかけているつもりはないんですよ。年下彼と年上彼は私にとって、役割も立場も違う人だから。どちらかを選ばないといけないのかなあという感じ。恋愛なんだから、いいんじゃないでしょうか。
もし年下彼が怒ったら、どうして怒るのか聞いてみたいですね。結婚はお互い、相手ひとりだけに心身を捧ぐイメージがありますが、私は恋愛しているだけ。時間があれば、もっと他の人ともつきあいたいくらい(笑)」
そう言って、彼女はペロッと舌を出した。今が人生でいちばん自由で楽しいと話す彼女、確かに恋愛における「二股」が悪だと裁くことはできそうにない。
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<文/亀山早苗>
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