パーフェクトイヤー”を記録したドキュメンタリー映画
『Born in the EXILE ~三代目 J Soul Brothersの奇跡~』Blu-ray(東宝)
三代目JSB初のドームツアーを追い、パーフェクトイヤーを記録したのが、2016年公開の
ドキュメンタリー映画『Born in the EXILE ~三代目 J Soul Brothers の奇跡~』(以下、『Born in the EXILE』)であった。
1999年にHIROが結成した「J Soul Brothers」の意志を受け継ぎ、偉業を成し遂げてきた三代目JSBは、これまで幾度の困難を乗り越えながら、「EXILE魂」を胸に「夢」を体現してきた。
「他の人の夢を応援して、自分の役割をしっかり全うしている」とリーダーNAOTOが話すように、まずはメンバー7人それぞれの夢や展望がある。そして2015年以降、ソロ活動を活発化させながら結果的にはグループ全体の力として集約されていった。
三代目JSBが描き、ファンへ繋がれる「夢の未来図」
2021年は、ヴォーカルの登坂広臣自身がプロデュースするプロジェクト「CDL entertainment」を本格始動させ、『ANSWER…』シリーズとして表現性をより深め、パファーマーの岩田もソロプロジェクト「Be My guest」の1stシングル「korekara」(9月15日リリース)でソロデビューを果たした。
コロナの逆境によって改めて自分を見つめ直し、再確認されたメンバーたちの多彩な個性。それは、7月16日から開催されているドームツアー『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2021 “THIS IS JSB”』として結集し、三代目JSBアニバーサリーの夢が1年越しで実現した。
『Born in the EXILE』ではさらに、自分たちの夢だけでなく、ファンに対する夢についても語られている。ツアーライブでフランキー・ヴァリのソロ曲「君の瞳に恋してる-Can’t Take My Eyes Off You-」をストロングなサウンドでカヴァーするとき、サビ直前の間奏で今市が次のように会場に言い放った。
「
みなさんの夢が叶いますように」
サビとともに銀打ちテープが観客席にきらきら降り注ぎ、観客ひとりひとりが今市・登坂のミラクル・ヴォイスに涙し、勇気づけられる。この希望の瞬間、メンバー7人がすべてのファンに心から願いを込めた。
三代目JSBの夢はこうしてファンへと繋がれる。2021年11月10日の11周年デビュー記念日にリリースされたベストアルバム&ニューアルバム『BEST BROTHERS / THIS IS JSB』収録曲が8月にファン投票で決められたのも、ファンとの深い絆を物語っている。
この「夢と絆」の物語、ファイナルを迎えようとしているアニヴァーサリーツアーでは、いったいどんな「夢の未来図」を描いて見せてくれるのだろうか。
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「三代目 J SOUL BROTHERS」が今日で11周年!鮮烈デビュー、ランニングマン…奇跡の物語を振り返る
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<文/加賀谷健>
加賀谷健
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:
@1895cu