セックスレスが急増中。女性が「しなくていい」と思う理由が意外だった
「家事や仕事などが忙しくて睡眠不足・体力不足」――。セックスレスだと思う女性に原因を聞いた調査でもっとも多かった回答である。「わかるわかる」だろうか、それとも「私には当てはまらない」だろうか。
セックスレスは単に回数や間隔の長さに基づく言葉ではない。日本性科学会では「特別な事情がないにもかかわらず、カップルの合意した性交、およびセクシュアル・コンタクトが1カ月以上ないこと」と定めている。
調査項目のうち「ここ3カ月、性行為の間のパートナーとの感情的な親密度についてどのくらい満足しましたか」という問いに対し「パートナーがいない」群は2012年調査に比べて0.7ポイント増とほぼ変わりない。
これに対し「パートナーがいる」群は「性交なし」がどの年代でも約10ポイント増えた。設問は「とても不満だった」から「とても満足した」までの5段階評価なのに、評価以前の結果であったわけだ。
「最近性交を行った時期はいつですか?」という質問に対しては「1カ月以内」が29.8%、「3年より前」が37.7%だった。2012年と比較して「1カ月以内」は8.6ポイント減り「3年より前」は9.8ポイント増えていた。
つまり全体としてセックスレスの物差しである「1カ月以上ない」人の割合が増えているということだ。性交なし=セックスレスの実態を浮き彫りにしている。
「性交がある人」では年代による性交頻度の差は見られない。このことは、いわゆるアクティブシニアの下支えが利いていることをうかがわせる。
調査は日本性科学会がインターネット調査会社に登録している20~79歳の女性1031人を対象として、2019年3月に2日間実施した。
2012年に行われた同内容の調査と比べると、わずか7年で「パートナーがいるのに性交なし」がどの年代でも約10ポイント増えている。確実にセックスレスが進んでいるということだ。
調査結果を明らかにした日本性機能学会の学術総会(「セックスレスはなぜ進んだのか~ネット調査からみる日本人女性の性生活」/公立陶生病院泌尿器科奥村敬子部長)を聴講した筆者が要点をわかりやすくまとめる。