機嫌が悪くなるとめんどくさそう。そう思った智子さんはふらふらしながらも、由伸さんの帰宅に合わせ、そうめんを茹でました。
由伸さんが帰宅したのは、ちょうどそうめんが茹で上がったころでした。そうめんを見た由伸さんの口から出たのは「今日これだけ?(笑)」の言葉でした。
「その前に、大丈夫? とか、具合どう? とかの言葉はないのかって思いました。それに、体調が悪いって分かっているのに、その言葉はないだろうってムカつきました」
デリカシーのない言葉を向ける由伸さんに対し、智子さんは「これだけだよ。これだって、しんどいのに頑張って茹でたんだよ。多めに作ったから、お腹いっぱいにはなれると思うよ」と返答。その言葉を聞き、由伸さんは「そうめん、そんなに好きじゃないんだけど」とボソリ。
「こんなときに好みの話をされても……って思いました。自分で買ってくることすらしないのに、わがままな人だなってちょっと引きました」
それから数ヶ月後、さらに智子さんをドン引きさせる出来事が。それは、智子さんが尾てい骨を骨折したときのこと。
「お年寄りに抜かされるほど、ゆっくりとしか歩けなくなってしまいました。でも、友人や同僚は『急がなくてもいいからね』と声をかけてくれ、心が救われていました」
一方、由伸さんはというと、骨折した日に「病院行ってきたほうがいいんじゃない?」と一言言ったきり。以降、体を気遣ってくれることは一切ありませんでした。
それどころか、ある日、突然「飲み会があるから、車で乗せていってくれない?」と予想外のお願い。この人には私の病状が正しく伝わっていないのでは……? そう思い、智子さんは改めて病状と自分が感じている痛みを説明します。
しかし「車で通勤できてるなら、飲み会への送迎も同じじゃん」と笑われました。