――しっかり学んで資産形成としてチャレンジして欲しいですね! それでは実際に新成人が投資や資産形成を始める上で注意すべきポイントやアドバイスを教えてください。
中島:新成人に限った話ではありませんが、何事も美味い話というのはありません。「必ず儲かる」や「ノーリスク・ハイリターン」といった話には絶対に乗らないと決意しましょう。安易に信じず警戒心を持って取り組むくらいで良いと思います。
投資や金融経済にはセオリーはありますが、それでも「絶対」はありません。
常に学び、練習し、経験し、成長していく必要があります。無理のない範囲で投資を行い、徐々にノウハウを身につけていきましょう。実際にお金を使わない「デモトレードアプリ」で、練習してみるのも一つの方法でしょう。
あと、親御さんや親類の方などと、お金や投資について相談することもおすすめです。
独りよがりで投資をするのでは無く、色々な人の意見を聞くことも大切です。頼れるなら頼って助けてもらえば良いでしょう。会話することで気付くこと学ぶこともあるはずです。キチンと情報収集した上で、成人として自分で考え判断することが大人への一歩に繋がります。

詐欺や怪しい投資商品などに騙される人が減ることも期待
――私たち大人もしっかりとサポートしていきたいですね。では最後に、この成人年齢引き下げに期待することはありますか?
中島:世界は刻一刻と変化し進化しています。それを理解し対応していけるのは若者の特権です。この成人年齢引き下げによって、投資を早く始められるようになり、これまで以上に若い人が活躍する可能性が高まると期待しています。
投資では年齢も属性も何も関わりなく平等です。一生懸命にがんばって努力して成功する人が増えて欲しいですね。
また、日本の金融リテラシーが向上することに繋がって欲しい。詐欺や怪しい投資商品などに騙される人が減ることも期待しています。
――なるほど、うまく活用できれば若い人がより活躍する・より人生の選択肢が増えるための「手段」増えそうですね。より正しい知識を、しっかりと身に付けていってほしいと思います…!
本日は、とても参考になるお話しをありがとうございました。

中島 真志教授
<麗澤大学経済学部教授 中島 真志>
一橋大学法学部卒業。日本銀行、国際決済銀行(BIS)などを経て、2006年より麗澤大学経済学部教授。早稲田大学・立教大学非常勤講師。博士(経済学)。
金融決済システム、暗号資産などの代表的な有識者として金融庁や取引所などの委員会の委員も多数歴任。2021年2月、グリーンモンスター社外取締役就任。主著に『アフター・ビットコイン』『仮想通貨 vs. 中央銀行 』『SWIFTのすべて』『金融読本』など。
<文・取材/藤沢亜理沙>