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「あのお坊さん、前にどこかで…」葬儀で偶然再開した僧侶の“正体”にビックリ!

徐々に蘇る、“あのお客さん”の記憶

 内田さんは、キャバクラ時代のことを思い出します。 「当時そのお坊さんは、医療系の会社で社長をやっていると言っていたんです。よく来ていた常連のお客さんだったし、すごくお金持ちの方だと他のキャバ嬢同士でも話題になっていて覚えてたんです。でも本当はお坊さんだったなんて、さすがに衝撃でした」  さらに……。 「関西のキャバクラで働いていたのですが、東京の港区に住んでると言っていました。当時は出張で関西に来ているのだと信じていたのですが、完全に地元は一緒ですよね(笑)。そこまで見栄を張る必要はあったのかなと疑問です」  葬儀で嘘がバレてしまうとは思わなかったでしょう。二人は会場で顔を見合わせます。 「なるべく存在を隠そうとしていましたが、目が合ってしまいました。多分、相手も気づいたのでしょう。オドオドした様子で場を取り繕おうとしていましたが、かなり気まずい空気が流れていて。私自身も、キャバクラで働いていたことは親しい友人以外には言ってなかったので、どうにかしてその場を乗り切ろうと必死でした」

お坊さんも一人の人間…

お葬式に向かう女性 二人は、お互いに気づかない振りをして過ごすこととなります。とはいえ、お坊さんがキャバクラに行くとは意外なものです。 「なんとなくお坊さんは、人間を超越したような存在だと思ってました。ですがネット上で調べてみると、意外にも飲酒や禁煙をしている方も多いらしくて。実際にキャバクラに通っている人もいると書いてあり、周りの人間と変わらないのだと思いましたね。もちろん、イメージ通り清廉な方もいるとは思いますが……」  さらに、内田さんはお坊さんの胸中を想像します。 「お坊さんも世間の印象があるせいか、お坊さんらしくすることに疲れてるんじゃないですかね。いい意味で、お坊さんだって人間なんだと知ることができました。  もし今後キャバクラで働くことがあれば、そういった世間の印象で、自分の素の姿を隠していかなければならない人たちのストレスを少しでも軽減してあげたいなと思いますね。このお坊さんがそこまで悩んでいたかは別ですが(笑)」 ―冠婚葬祭のトホホ― 【他のエピソードを読む】⇒「実録!私の人生、泣き笑い」の一覧へ 【あなたの体験談を募集しています!】⇒心がほっこりした「ちょっといい話」、ありえない!「びっくりした話」「ムカついた話」、人生最悪の恋愛を募集中!(採用時に謝礼あり)ご応募はここをクリック <取材・文/Honoka Yamasaki イラスト/やましたともこ>
山﨑穂花
レズビアン当事者の視点からライターとしてジェンダーやLGBTQ+に関する発信をする傍ら、レズビアンGOGOダンサーとして活動。自身の連載には、レズビアン関連書籍を紹介するnewTOKYOの「私とアナタのための、エンパワ本」、過去の連載にはタイムアウト東京「SEX:私の場合」、manmam「二丁目の性態図鑑」、IRIS「トランスジェンダーとして生きてきた軌跡」がある。また、レズビアンをはじめとしたセクマイ女性に向けた共感型SNS「PIAMY」の広報に携わり、レズビアンコミュニティーに向けた活動を行っている。
Instagram :@honoka_yamasaki
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