おかざき:ここでひとつ、声を大にして言いたいことがあるんですけどいいですか?
――どうぞ、どうぞ。おかざき:この作品にはキーになっている曲があって、全編を通してその曲で人たちが繋がっていくんですけど、最初は違う曲だったんです。
――そうなんですか? KIRINJIの『エイリアンズ』しかありえないと思っていました。燃え殻:最初はビートルズの『Let It Be』だったんです。それをHuluで映像にするため萩原監督のところに持っていったとき、「使用許諾を取らなくちゃいけない」と。「無理ではないが、いくらかかると思っているんだ?」という話になって。おかざきさんにお渡しした時点での自分の原案も『Let It Be』で、「外国曲、特にビートルズは使用許諾が取りづらいんですよ」という話をしたんです。
おかざき:実は最初に読んだときから、「これは『Let It Be』とか、ビートルズじゃないよな」と思っていたんです。今回の原作だけじゃなく、燃え殻さんの他の著作を読んでいる時も、『エイリアンズ』の歌詞にあるような、みんな月の裏側で生きていて、ひとりぼっちだけどみんな繋がっているような感覚があって。打ち合わせで『Let It Be』が難しいと聞いたとき、「燃え殻さんの文章を読むたび頭の中で流れる曲があるんですけど、どうですか?」って広告代理店ばりにプッシュしたんです。
――そうだったんですね。燃え殻:映像を全部撮った後に萩原監督から連絡をいただいたんですけど、出演者の方々が、「これは『エイリアンズ』だから成立したんだ」と言っていたらしくて。僕が書いた時点では『Let It Be』だったのに。それでは成立しなかった(笑)。