順調に計画は進んでいたかと思いきや、ハプニングが!
親としていい姿を見せたいと、密かに計画を立てる香川さん。そして、神社へ出発します。
「娘の晴れ着姿を見て、慌ただしい準備の時間のこともすっかり忘れるほど嬉しく思いました。親戚も成長した娘の姿に喜んでくれ、和やかな雰囲気で神社に行くことができましたね」
香川さんの娘も初めての着物に興奮した様子でいたといいます。ハッピーな空気が流れて安心していたその時……。

「神社に到着しました。娘が楽しくなったのか、車から降りると神社に向かって走り出したんです。そして、何かに引っかかったように豪快に転げ落ちました。すぐに向かうと、娘はちょうど溝に落ちてしまい、全身泥だらけになっていて……」
せっかくの着物が真っ黒になってしまう大失態。そこにいた人たちの表情が曇り始めます。
「さっきまで笑顔だった親戚の表情が苦笑いへと変わっていくのがわかりました。ですが、祝福の場でこの空気はよくないと感じ、私は咄嗟に『大丈夫だよ~。行こうか!』と無理矢理明るくふるまっていました。心の中では、かなり焦ってたんですけどね」
その後、泥だらけの娘を連れて神社へ参拝しに行きます。
「結局、フォトスタジオは繁忙期でお直しができなかったため、そのまま神社へ向かいました。かなりの時間とお金をかけてこの日を待っていたのに、残念な気持ちでいっぱいでした。親戚も新幹線でわざわざ東京に来て、ホテルまで予約していたので、互いに顔を合わせて笑うことしかできませんでした」
気まずい空気が流れ、香川さんは申し訳なく感じたといいます。後日、七五三の写真を見返してみると……。
「当日の写真には、全身泥だらけの娘の姿が写っていました。参拝後に予定していたスタジオでの記念撮影は中止し、私服に着替えて食事することになりました。本当は笑顔で終わらせたかったのですが、誰もその日のことは触れず、気を遣わせてしまいました」
不幸中の幸いといっていいのか、香川さんのお子さんは4年後に次の七五三があります。次は娘の行動に注意することを心の中で誓ったのでした。
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<文/Honoka Yamasaki イラスト/やましたともこ>
山﨑穂花
レズビアン当事者の視点からライターとしてジェンダーやLGBTQ+に関する発信をする傍ら、レズビアンGOGOダンサーとして活動。自身の連載には、レズビアン関連書籍を紹介するnewTOKYOの「私とアナタのための、エンパワ本」、過去の連載にはタイムアウト東京「SEX:私の場合」、manmam「二丁目の性態図鑑」、IRIS「トランスジェンダーとして生きてきた軌跡」がある。また、レズビアンをはじめとしたセクマイ女性に向けた共感型SNS「PIAMY」の広報に携わり、レズビアンコミュニティーに向けた活動を行っている。
Instagram :
@honoka_yamasaki