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片寄涼太の“王子感”が隠しきれてない!ドラマ『運命警察』では引き立て役に回るも

過去のオーディションの記憶

 という企画ドラマなので、現実のオーディションと連動するようにヒロインがコンセプチュアルに造形されている。命(みこと)は清掃のアルバイトをしながら、女優の夢を追いかけているが、運命警察がそれを邪魔しようとする。彼女を監視するために地上へ送られたセブンが歌手志望だったことは冒頭で触れた通り。  苦労の末にやっとTikTok上でバズらせた「運命」という楽曲を弾き語り、何度もスマホのカメラで撮影していたセブンの過去の姿が印象的だった。片寄もまたデビューまでに苦労を重ねている。彼が芸能界入の切符を手にしたきっかけは、「VOCAL BATTLE AUDITION 2」だったが、ファイナリスト審査で落選。でも、この2010年開催のオーディション、三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのツインヴォーカルとなる今市隆二と登坂広臣がファイナリストに選ばれたオーディションである。他に数原龍友もファイナルで落選しているが、逆に片寄・数原がここで合格していたら、後のGENERATIONSヴォーカルは誕生していなかったかもしれない。  今でこそ王子である片寄もオーディションではこうした苦い経験があった。江藤が挑んだ『Dreamer Z』女優オーディションの最終審査を担当した片寄は、自分のオーディション当時をどんな気持ちで懐かしんだのだろうか。過去のオーディションの記憶が確かめられるからこそ、新たなオーディション連動企画ドラマで主演を演じる今の片寄の姿がより浮き彫りになっている。

いちいち目立つ存在感

 ところで、引き立て役に回るとはいっても、片寄の王子様っぷりを侮ってはいけない。その存在感は、やっぱり尋常ではない。もって生まれた王子様キャラとキラッと光るスタア性なのだから仕方がないのだけれど、いちいち目立つ存在感である。  第1話終盤で、定められた運命を書き換えようとする「非運命分子」が細工をして、命は、諦めかけていた女優の夢を再び目指すことになる。ここでエリアのリーダーゼロ(水野美紀)に命じられセブンが地上世界へ赴き、すぐに命の元に現れるのだが、地上世界人としてのセブンがすごかった。  他の清掃スタッフと同じ、オレンジのつなぎを着て、丸メガネという技ありのスタイルが様になる。これがネット上で反響の嵐だった。王子、恐るべしである。重い荷物を運び込んでよろけた命を後ろから抱きしめ、「あなたのこと守りにきました」と決め台詞まである。いやぁ~、目立たせてくるな、王子の存在感。
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夢の王子のように
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