「そしてデート当日、久しぶりに電車に30分程揺られて待ち合わせ場所の六本木に行ったんですよ」
美紀さんは、コロナ以降、仕事場へも自転車で通勤して必要最低限しか遠出をしていなかったので、ビルに囲まれた都会に降り立つと懐かしさを感じました。
「しかも超久々にヒールの高いパンプスを履いておしゃれしてきてワクワクしていたんですよ。いつもスニーカーやフラットシューズで過ごしているので」

Yくんおすすめのお店で美味しいピザをご馳走になり、すっかりいい雰囲気になった2人は東京タワーを目指して少しお散歩しようと歩き出したそう。
「そしたら久しぶりにパンプスを履いたせいか、足が痛くなってきて…。コロナ前は、どこに遊びに行くのもパンプスで、へっちゃらで何時間も歩き回っていたのに」
歩く度に足が激痛で爆発しそう、もうパンプスをぶん投げて、裸足(はだし)で歩きたい…そんなことばかり考えて上の空の美紀さんにYくんが「僕と話しててもつまらないかな?」と悲しそうな顔で言ってきました。
「ハッとして『そんなことないよ!』と否定しましたが…なんとなく歳下のYくんに『慣れないパンプスで足が痛くて』なんてカッコ悪くて言いたくなくて『ごめんなさい、急用を思い出したので』とその場で解散させてもらったんです」
ここ3年も恋から遠のいている間に、おしゃれしてデートもできない身体になってしまった。そしてYくんになんて悪いことをしてしまったんだ…と美紀さんは落ち込んでしまいました。