このことがあってから、質問で遅くなった日にはS先生が車で送ってくれるようになりました。ときには晩ごはんをご馳走してもらうこともあったとか。そんな川名さんに、あるお誘いが。

「ある日の授業の終わりに、いつものように質問をしに行くと、『
来週の水曜日、都合いい?』と突然聞かれました。何があるのか聞くと『
秘密のお楽しみ会だよ』とほほ笑んで。きっと楽しいサプライズに誘ってもらえたのだと思い込んで、友人と二人ではしゃいでいました」
ですが、お楽しみ会は、地獄への入り口だと、まだ気づいていませんでした。
どんな楽しいことがあるのか、ワクワクしながら待ち合わせ場所に行ってみたものの、連れて行かれた場所は、何の変哲もない住宅地でした。

「こんなところで何があるのかと不思議に思いました。先生の自宅ではなさそうで怖かったのですが、先生が連れてきてくれた場所だし、とりあえず上がりました。ですが、気づくとS先生はどこかに行っていなくなってしまいました」
S先生とのお楽しみ会のはずが、怪しい一軒家に誘い込まれてしまいました。
「友人と2人で戸惑っていると、その家にいた女性に『
このビデオを見て少し待っていてね』と言われました。その女性は席を外して、何かを取りに行きました。そのビデオは、世間を知らない高校生が見ても、明らかに“
宗教系の何か”でした。ヤバイ気配を察し、このままいるとマズイことになる!と震えあがりました」