そしてよく考えたら、せっかく隠し味を教えてくれた店員さんに、ちゃんとお礼も言わず帰ってしまい失礼なことをしてしまったなと後悔したそう。
「なので翌日またあのカレー屋さんに行ってみたんですよ。そしたら60代ぐらいの女性が店番をしていたので、『昨日ここに入っていた男性店員さんは今日はいないのですか?』と聞いてみたんです」

すると「うちに男性店員なんていないですよ」と言われてしまい…。
「一瞬パニクりましたが、もしやと思いまたポークカレーを注文してお味噌汁を飲んでみたんですよ。そしたら昨日とは全く違う味で、もしやと思って」
「やっぱりあの男性ってT之だったんじゃ?嘘でしょ?」と菜緒さんはしばらくドキドキが止まりませんでした。
そして「きっとT之は、私に新しい恋に進んだ方が良いと伝えにきてくれたに違いない」と思ったそう。
「『彼氏と仲良くね』と言ってくれたし、T之のことを引きずってなかなか進めずにいる私を心配してくれたのかな?って。はやく安心させてあげたい気持ちでいっぱいになりましたね」
それ以来胸の支えが取れたように、奈緒さんはK太さんに甘えることができるようになりました。
「今では、すごくいい感じで付き合うことができています。ちなみにT之味のお味噌汁は封印して、K太には私が母から教わったお味噌汁を作っています」
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<文・イラスト/鈴木詩子>
鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
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