※イメージです(以下同じ)
では、ADHDなどの発達障害を診断するにはどのような方法が一般的なのでしょうか。
「発達障害の検査は知能検査のWAISを始め、いくつもの検査や質問紙を組み合わせて行います。小さい頃からその傾向があることも重要ですので、親御さんからのお話を聞いたり、小中学生時代の通知表なども参考にしながら総合的に判断をし、診断をします。検査は医師ではなく臨床心理士や公認心理師が行いますが、最終的な診断は医師が行います。発達障害の診断にはかなりの時間と労力を要するのです」
ブレインクリニックのサイトではADHDの検査・診断を含む初診(問診、QEEG検査、診断、治療の説明)の所用時間として、「おおむね1時間程度でお帰りいただけます」と記載されています。
しかし筆者のケースでは、WAIS-Ⅲと呼ばれる知能検査の他にも3つほど心理検査を受け、1時間以上におよぶ聞き取りも行われました。特にWAIS-Ⅲは時間がかかるため、前半と後半で日程を分けて行いました。クリニックによっては、1日の中ですべて行うこともあるそうで、WAISの検査だけで4時間もかかったという話を当事者の方から聞いたことがあります。
ブレインクリニックでも、ADHD外来とは別の「知能検査(WAIS-Ⅳ/WISC-Ⅳ)外来」にてWAISを行っているようですが、「(知能検査の)結果をもとにQEEG検査や問診を行うことで、発達障害の確定診断が可能になります」とも記載されていました。
ブレインクリニックではADHDをはじめとした発達障害の治療として、主に「TMS治療」を行っています。TMS治療とは何なのでしょうか。
「TMS治療とは、簡単にいうと脳のある部位を微弱な電流で刺激する治療法です。メカニズムははっきりとわかっていないものの、重度のうつ病患者への一定の効果が認められていて、日本では2019年から保険診療に加わっています。
しかし、これはうつ病の治療として確立されているだけで、発達障害の治療法ではありません。もちろん発達障害に効果があるというエビデンスも存在しません」