「激しい運動をすることが自分のプライドだった母は、当然無理をしているので、ちょいちょい膝(ひざ)に水が溜まってしまったり腰を痛めてしまったりと怪我も多かったんですよ」
そんなある日、またお母さんから「足首が痛くて歩くのも辛い」と連絡がありました。
「またいつものことかと思い、私の車で母を行きつけの病院に連れて行ったら先生からいきなり『今回はMRIでちゃんと検査した方がいい』と言われたんですよね。そんなこと初めて言われたので、私も母もびっくりしてしまって」

とりあえず彩芽さんは、すぐにMRIの予約を入れたそう。
「そしたらMRIの前日に母から電話があり『足の痛みがなくなってきたから、今日からスポーツクラブ再開したし、もう検査なんてしなくてもいい』なんて言い出すので、ちゃんと検査をして“なんの異常もないですよ”って言ってもらった方が安心でしょ?と必死に説得したんですよね。母はきっと直前になって検査が怖くなったんだと思います」
そしてお母さんのMRI検査の結果は…。
「靭帯損傷(じんたいそんしょう)でした。もう激しい運動は一生できないと言われて母はショックを受けて、帰りの車の中で『生きがいがなくなった』と泣き出してしまったんですよ。なので『このタイミングで検査できてラッキーだったと思おうよ!このまま激しい運動続けていたら靭帯断絶しちゃって手術になって、ずっと松葉杖の生活になってたかもしれないんだよ?』と喝(かつ)を入れたんです」

ですが、お母さんはすっかり元気をなくして塞(ふさ)ぎ込んでしまったそう。
「さすがに心配になり、母の好物のチョコレートケーキを持って実家に寄ってみたんですよ」