子どもは自然と食べません!「世界一役に立たない育児書」に思わずクスリ。著者を取材
初めて新生児を育てるとき、離乳食に悩んだとき、イヤイヤ期が始まったとき――。
悩みや疑問解決の糸口にと「育児書」を手にとったことのある人は多いのではないでしょうか。しかし、育児書どおりに行かず、「余計に落ち込んだ…」という人も少なくないのでは?
そんなパパ・ママたちの心にそっと寄り添うような書籍『世界一役に立たない育児書』(白泉社)が2022年9月6日に発売されました。
著者のかねもとさんは、赤ちゃんの夜泣きに悩むママを描いた『夜泣き小屋』や、保育園の待機児童問題をコミカルに描いた 『伝説のお母さん』(KADOKAWA)など、これまでにも子育て中のママに寄り添う作品を発表してきました。
本書は食べムラや少食の悩みに対し「盛り付け方を工夫したり、特別なお皿を用意したりして、(中略)子どもは大喜びするけど食べません!」「子どもは自然と食べません!」と断言したりと、子育てのリアルが描かれています。そして小児科専門医である森戸やすみ先生が監修&推薦もしている、れっきとした“育児書”なのです。
今回はかねもとさんに本書の狙いや、読者のママ、パパたちへの思いを聞きました。
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――「世界一役に立たない」というタイトルですが、本書に救われるママは多いと思います。どうやって企画がスタートしたのでしょうか?
かねもとさん(以下、かねもと):私は2016年に2人目を産んだとき、Twitterを始めたんです。フォロワーさんと育児についてやり取りをしていると、「アドバイス通りにやっても育児がうまくいかない」「育児書通りにいかない」という声が多かったんです。それに、妊娠中のつわりや、体調不良についても結局は「産まなければ治らない」ことは普通の本にはあまり書かれていません。
そこで「育児の真実だけを描いてみよう」と思って「世界一役に立たない育児書」というタイトルで画像を投稿したのが最初でした。そこから1~2年経ってから編集者さんに「これを連載して書籍にしませんか?」と声をかけていただいたのが、本書のきっかけになりました。
――どんな狙いがあったのでしょうか?
かねもと:古い習慣や著者の主観で書かれた育児書もあるので、そういうものとは違う育児書になればいいなと思って書きました。
赤ちゃんは一人ひとり違うので、医師がエビデンスに基づいて紹介する育児法でも上手くいかないことがあります。それは当たり前のことなのですが「どうして上手くできないんだろう」と傷ついてしまう人もいます。
頑張った結果、上手くいかないと、何もやらないときよりも傷つくのではないでしょうか。「この通りにやったら上手くいくかも」と期待する分、それが外れた時に努力が無に帰すような気がするので、落ち込みが激しくなることがあります。アドバイス自体が悪いわけではなく、それで成功する人もいると思うのですが、「やっぱり自分はダメだ」と思ってしまう人に「そんなことないよ」と言ってあげたいと思いました。
――執筆にあたってどこに配慮しましたか?
かねもと:一番配慮したのは、「そのツラさは今だけです」「あとでいい思い出になりますよ」といった「今のツラさ」をないがしろにするような書き方を控えることです。
私は1人目の子どものトイレトレーニングがなかなか進まなくて悩んでいたのですが、「大人になってもオムツしてる子はいないから」と言われたり、お箸の練習でも「小学校になったら皆使えるでしょ」と言われてツラかった経験があって。確かにその通りなのですが、当時はそういうことを言われる度に、今のツラさのやり場が無くなり、追い詰められているような気がしていました。
もう1つ、妊娠・出産や母乳に関すること以外は、顔のアイコンを男女両方にして、文章も「ママ、パパ」どちらかに限定せず「親御さん」と書くようにして対象がママだけにならないようにしました。料理やトイレトレーニングの悩みを相談しているのがパパだったりしています。
――確かにパパ、ママどちらの立場でも読めるようになっていますね。
かねもと:いろいろなご家庭があるので「誰でも当てはまるようにすること」はむずかしいですが、できるだけ多くの方に当てはまるように心がけたつもりです。

『世界一役に立たない育児書』(白泉社)
「育児の真実だけを描いてみよう」と思い立った
――「世界一役に立たない」というタイトルですが、本書に救われるママは多いと思います。どうやって企画がスタートしたのでしょうか?
かねもとさん(以下、かねもと):私は2016年に2人目を産んだとき、Twitterを始めたんです。フォロワーさんと育児についてやり取りをしていると、「アドバイス通りにやっても育児がうまくいかない」「育児書通りにいかない」という声が多かったんです。それに、妊娠中のつわりや、体調不良についても結局は「産まなければ治らない」ことは普通の本にはあまり書かれていません。
そこで「育児の真実だけを描いてみよう」と思って「世界一役に立たない育児書」というタイトルで画像を投稿したのが最初でした。そこから1~2年経ってから編集者さんに「これを連載して書籍にしませんか?」と声をかけていただいたのが、本書のきっかけになりました。
――どんな狙いがあったのでしょうか?
かねもと:古い習慣や著者の主観で書かれた育児書もあるので、そういうものとは違う育児書になればいいなと思って書きました。
赤ちゃんは一人ひとり違うので、医師がエビデンスに基づいて紹介する育児法でも上手くいかないことがあります。それは当たり前のことなのですが「どうして上手くできないんだろう」と傷ついてしまう人もいます。
頑張った結果、上手くいかないと、何もやらないときよりも傷つくのではないでしょうか。「この通りにやったら上手くいくかも」と期待する分、それが外れた時に努力が無に帰すような気がするので、落ち込みが激しくなることがあります。アドバイス自体が悪いわけではなく、それで成功する人もいると思うのですが、「やっぱり自分はダメだ」と思ってしまう人に「そんなことないよ」と言ってあげたいと思いました。
「そのツラさは今だけです」と言われてツラかった
――執筆にあたってどこに配慮しましたか?
かねもと:一番配慮したのは、「そのツラさは今だけです」「あとでいい思い出になりますよ」といった「今のツラさ」をないがしろにするような書き方を控えることです。
私は1人目の子どものトイレトレーニングがなかなか進まなくて悩んでいたのですが、「大人になってもオムツしてる子はいないから」と言われたり、お箸の練習でも「小学校になったら皆使えるでしょ」と言われてツラかった経験があって。確かにその通りなのですが、当時はそういうことを言われる度に、今のツラさのやり場が無くなり、追い詰められているような気がしていました。
もう1つ、妊娠・出産や母乳に関すること以外は、顔のアイコンを男女両方にして、文章も「ママ、パパ」どちらかに限定せず「親御さん」と書くようにして対象がママだけにならないようにしました。料理やトイレトレーニングの悩みを相談しているのがパパだったりしています。
――確かにパパ、ママどちらの立場でも読めるようになっていますね。
かねもと:いろいろなご家庭があるので「誰でも当てはまるようにすること」はむずかしいですが、できるだけ多くの方に当てはまるように心がけたつもりです。
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