『アトムの童』代役オダギリジョーが「香川照之よりハマってる」わけ。得体の知れない存在感
10月16日からスタートした日曜劇場『アトムの童(こ)』(TBS系、日曜夜9時~)。主人公の若き天才ゲーム開発者・安積那由他(あづみ・なゆた)役に山﨑賢人さんを据え、現代のゲーム業界を舞台に、巨大資本の企業に立ち向かっていく姿が描かれています。
本作で敵役とされる大手IT企業「SAGAS(サガス)」社長・興津晃彦(おきつ・あきひこ)を演じるのがオダギリジョーさん。この役の当初のキャスティングが、銀座ホステスへの性加害報道で活動自粛中の香川照之さんだったことをご存じの方も多いでしょう。
『半沢直樹』や『下町ロケット』、『ドラゴン桜』など、成功と挫折を繰り返しながら巨大な権力に立ち向かう主人公の姿を描く作品が多いTBSの看板ドラマ枠・日曜劇場。
『アトムの童』はそんな枠での放映でありながらも、20代の山﨑賢人さんという若い主人公、舞台がゲーム業界ということから、放送前は若者がぶつかり合いながら奮闘していくストーリーを期待した視聴者も多かったと思います(例えるなら、韓国ドラマ『スタートアップ:夢の扉』のような)。
しかし、ふたを開けて見れば第1話から、挫折した主人公、巨悪の大資本、銀行の融資担当……など、お馴染みキーワードがそろい踏みの“THE・日曜劇場”なストーリー。多少想像とは違いましたが、従来の日曜劇場とは違う新鮮な印象を感じました。その理由は前述の20代主人公・舞台がゲーム業界ということ以外に、敵役のオダギリさんの存在なくして語れません。
もしここで予定通りこの枠の常連俳優・香川照之さんがそのまま出演していたら、ありきたりでどこかで見たような印象になっていたでしょう。オダギリさんが演じたことで、王道の展開でありながらも、現代的で新しい空気感を生み出し、いい化学反応を起こしていたように感じました。
放送開始前はオダギリさんの代役について「二人のタイプが全く違うのに大丈夫?」「代役と言えどミスキャストすぎでは」という心配の声もありましたが、いざ第一回が放映されると「大正解」「逆に香川照之だったら違和感」などという意見が大半を占めました。



