――「母の日がつらい」というお気持ちを抱く方もいるそうですね。

写真はイメージです。
「“子どものいない人あるある”なのですが、
母の日は“母と子”を意識させる催しで、母になれなかった女性の中には、その日がとてもつらく感じる方もいらっしゃいます。他にも、毎年送られる年賀状の家族写真とか、最近ではSNSなどで『ご報告』というタイトルから始まる妊娠報告に胸を突かれるというお話も聞きます。
『私事ですが……』とうやうやしく文章が始まり、妊娠の報告に続いて最後に赤ちゃんのエコー写真やお腹の膨らみを強調する写真が貼られていることが多いのですが、
ビジュアルの与えるインパクトというのはとても強烈で、数日間そのイメージが焼きついて落ち込んでしまう方もいるのです。
“報告”をする方にはもちろん他意はないでしょう。ただ、気持ちが繊細になっている方にとっては『素直に祝福できない自分』や『嫉妬する自分』を責めてしまい、ますます自己嫌悪に陥ってしまうのです。そういう方が身近なところにいるということを認識し配慮することで、知らないうちに大切な友人や同僚を傷つけることは避けられるかもしれません」
――口をつぐんでしまわず、「実はこんな気持ちなんだよ」と、伝えていくことが大事ですね。ところで、将来妊活をするかもしれない女性が気をつけておくべきことはなんでしょうか?

写真はイメージです。
ボレンズ「恋人、パートナーがいるのであれば、家族観についてはよく話し合っておいたほうがいいと思います。
大切なのは、“子どもができなかった場合”のことも考えておくこと。大抵の場合、“結婚したら子どもはできるもの”という前提で話が進みます。
なぜかというと、メディアでも“子どもができなかった人”の話はあまりされないから、どうしても“結婚したら子どもはできるもの”という認識に結びついてしまうんです。『芸能人の誰々は40代でも妊娠しました!』なんて、よく話題になりますが、子どもを授からなかった人にはなかなかスポットが当たりません。実は不妊治療の成功率って数パーセント程度で、試みてもできない方の方が多いのです。
だからパートナーと結婚を決めるとき、『できないときはどうする?』『ふたりきりでもパートナーとしてやっていける?』とか、不妊治療をするか、特別養子縁組を考えるかなどもきちんと話し合っておくといいですね」