Lifestyle
Human

赤ちゃんのおしり丸出しでピクニック?ディープな“自然派ママ”の仲間だった私が黒歴史を語る

「幸い私は母乳だったので粉ミルクは使う機会がありませんでしたが、やはりその情報は真に受けていましたね。母乳が出なかった自然派ママ友にはは、粉ミルクは毒性が強いというその情報を信じ、ヤギのミルクを取り寄せしている人もいました」

駐妻たちのDIY精神

調味料は、手作りも定番だった。味噌や醤油を手作りするワークショップにも通ったという。食に限らず、自然派暮らしにDIYはつきものだ。 「夫の海外赴任先でも、自然派コミュニティで集まって味噌づくりをしながら情報交換をしていましたからね。インドネシアで大豆を蒸してせっせとつぶしていた私たち、気合入っていますよね」 自然派ママ202212-2bまたも見せてもらった写真には、味噌のレシピを手にラグジュアリーな空間に集っているエレガントなマダムたち。妙にシュールである。 「駐在妻は孤独になりがちなので、何かと集います。そのコミュニティへ、現地に移住している、事情通の日本人も関わってくる。駐在先のインドネシアは自然豊かな場所なので、移住している日本人たちも自然派が多かった。すると、自然派に興味がない人たちも、感化されていくんですよ。移住者たちは現地で顔が効くし頼れる存在だし、本人たちはそのつもりがなくても、おのずとボス的なポジションになります。そしてみんながボスの嗜好に感化され、自然派寄りになっていく。そんなケースもよく見かけました」

胎内記憶の有名医師を招聘

「現地の集いでは、胎内記憶を広めている産婦人科医の池川明先生をわざわざインドネシアに招いたイベントなんかもありましたよ。ホテルの一室で胎内記憶の映画を上映して、トークセッションみたいのをやるんです」 胎内記憶とは、本来は胎児がお腹にいたときの記憶だが、いま日本で広められているのは「空の上から子どもがお母さんを選んで生まれてくる」というスピリチュアル色の強いものになっている。もともと自然派はスピリチュアルと親和性が高い部分があるが、さらに池川明医師の場合は、日用品の化学物質を危険視する「経皮毒」という思想を支持する医師でもあるので、自然派の支持者を一定数獲得している。一般的とは言い難い考えも柔軟に受け止めてくれる医師だという見方もできるが、個人的には違和感しか持てない。 「駐在先はあまり医療も充実していませんでしたから、日本の産婦人科医が来てくれるとなれば、それだけで参加したがるお母さんも多かったんじゃないでしょうか。スピリチュアルや自然派育児に興味ない現地の日本人の知り合いも、都合がつかなかったけど行きたかった~なんて言ってました。私? もちろん参加しましたよ(笑)。胎内記憶については、子どもがファンタジーなことを言っているのがかわいいな程度の感想で、そこに絆や子育ての意義を感じるまでには至りませんでしたが」
次のページ 
自然派のなかでもハードルが高い育児法
1
2
3
Cxense Recommend widget
自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。お気軽に、山田ノジルnojiruyamada@gmail.com まで、ぜひご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
あなたにおすすめ