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赤ちゃんのおしり丸出しでピクニック?ディープな“自然派ママ”の仲間だった私が黒歴史を語る

ただし、経皮毒のほうはどっぷり信じていたという。紙おむつは化学物質でできているから、股の粘膜から有害な成分が吸収される。水分を吸う高分子ポリマーは尿を吸収すると冷えピタと同じような状態になり、体を冷やすという説を。 「だからおむつは基本、布。外出時だけ市販の使い捨て紙おむつを使っていました。ちなみに周りの自然派ママたちは、布おむつは濡れると赤ちゃんが気持ち悪がるから、早くはずれるメリットがあるなんて言っていましたが、うちの場合はごく平均的な時期に外れました。使わなくなった布おむつは、掃除に役立ったことだけがメリットかな」

芝生の上なら好きに排泄させていい!?

子どもの排泄ケアの中には「おむつなし育児」というものもある。おむつの中で排泄させず、子どもが催すタイミングを親が察し、おまるにつれて行くというものだ。提唱者たちによると、新生児でも可能だという。それが子どもにとって適切かどうかは横に置いておき、筆者は正直趣味の領域だと思っているが、Mさんの周囲ではそこから派生した「おまるピクニック」の光景も見られたという。 自然派ママ202212-2dおまるピクニックとは何か。おむつなし育児はタイミングを誤ると、排泄物が床に垂れ流しになってしまうことにハードルを感じる人が多い。そこで「芝生の上ならお漏らししちゃっても大丈夫!」と呼びかけ、おむつなし育児を体験しながら情報交換しようというピクニックが2019年頃に開催されていたのだ。排泄物をキャッチするためのおまるを持参するので、おまるピクニック。当時の「おむつなし育児研究所のHP」では「家ではなかなか出来ないお股解放タイムも、この機会にやってみてはどうでしょう♪」と呼びかけられていた。公園で下半身丸出しで遊ばせたり、参加者がおまるにまたがる子どもの写真をSNSにアップしたりすることから、衛生面や子どもの人権の観点から非難の声があがっていた。

「私はまだまだ」と気づいた瞬間

「当時のママ友がInstagramで告知をしてましたが、おまピクは自然派育児の中でいちばん抵抗ありましたね。私は妊娠出産するまで、身なりに気を配らなければならない職についていたこともあり、見栄えを意識するプライドが自然であることを上回ってしまい。屋外……しかも公共の場で子どもに排泄させるなんて、無理無理」 「すごく偏見である自覚はあるんですが」と、言いにくそうに続けるMさん。 「当然ながら、自然派ママといってもグラデーションがあります。オシャレは手放せず、人目が気になるうちはまだ沼の浅い場所にいるのかなと。おまピクに怖気づくようなうちは、自分もまだまだだなと思いました。おまピクに対する感情でそんなことに気づくのも、なかなかの体験ですね」 自然派ママの沼へ深くへもぐるには、DIY的なセンスに加え人目をはばからず信念を貫くガッツも必要なようだ。 【続きを読む】⇒「子どもにワクチンを1本も打ってないことが不安になった」ディープな“自然派育児”から抜けだした女性が語る後悔 【前回記事】⇒子どもにワクチン打たせない、薬も飲ませない…“自然派育児”をするママの沼 <文・取材/山田ノジル>
山田ノジル
自然派、○○ヒーリング、マルチ商法、フェムケア、妊活、〇〇育児。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のない謎物件をウォッチング中。長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこへ潜む「トンデモ」の存在を実感。愛とツッコミ精神を交え、斬り込んでいる。2018年、当連載をベースにした著書『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)を発売。twitter:@YamadaNojiru
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。お気軽に、山田ノジルnojiruyamada@gmail.com まで、ぜひご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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