Entertainment
Lifestyle

ドラマ『silent』村瀬Pに聞く秘話「てんとう虫の伏線は予定外だった」

「台本打ち合わせで湊斗がベランダに出るきっかけを考えていたときに、部屋に入ってきた虫を外に出すのはどうだろうとなって、セカンド演出の高野舞監督がてんとう虫のアイデアを出しました。てんとう虫が飛び立っていくと、そこに想が現れて……という流れです。そして第7話では図書館で想がてんとう虫の本を手にとります」
ドラマ『silent』第3話より

ドラマ『silent』第3話より

「あれも実は、子供が好きそうな本を探していたらその中にてんとう虫が表紙の図鑑があって、サード演出の品田俊介監督がそれを選んだんです。登場人物の行動に根拠を持たせようと丁寧に考えてつくっていくと、奇跡のように出来事が繋がっていくことってあるんですよね」 ※てんとう虫には“幸せの象徴”という意味があると気づいた視聴者により、SNS上はでさまざまな考察がなされていた。

過去の名作を意識した演出も。大人世代が感じるなつかしさ

――高野さんは『いつ恋」にも参加されていました。 「『いつ恋』で人気のエピソードであるレシートの回(※第7話。遠く離れて暮らしていた祖父が亡くなり、残されたレシートを見て祖父の生活を想像する)の演出を担当しています。あの回は坂元裕二さんと僕と高野監督とで悩みながら作った回でした。  高野監督も風間監督に負けず劣らずハートがあって人の心を丁寧に描くうえ、西谷弘監督の下で『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系、2014年)なども担当しているから、ケレン味のある演出もできるんです。風間監督が連ドラにおいては新人なので、連ドラに慣れていてかつセンスが良くてしかも丁寧に人の心を描く“ちょっと先輩”にいてほしくてお願いしました」
ドラマ『silent』第6話より

ドラマ『silent』第6話より

「このドラマが若いかたのみならず、大人の鑑賞に耐え得るものになっているわけは、昔のヒットドラマの方法論も生かしながら、若い世代の感性を取り入れることでアップデートしているからだと思います。  たぶん、上の世代が見るとなつかしいと思うところもあると思うんですよ。主題歌のかけ方も過去の名作を少し意識していて(笑)。ちょっと年齢の上の僕の感覚で作った仕掛けを、生方さんや風間監督が若い感性で紡いでくれる。この組み合わせは最強だと思います」
次のページ 
後半戦は想の母・律子(篠原涼子)らに注目
1
2
3
Cxense Recommend widget
silent シナリオブック 完全版

放送されなかったシーンも含めた完全版の脚本に加え、名場面を振り返るドラマのハイライトシーン、脚本家・生方美久×プロデューサー・村瀬健の対談も収録

あなたにおすすめ