
免許返納は断ったものの、義父は一切運転することはなくなったそうです。それから2カ月が過ぎた頃、義父は「車を売却したい」と言い出したのだとか。
「もう運転したくないし、維持費だけかかるのはもったいないから売りたいと言い出しました。そのとき、私、ピンときたんです。以前調べたときに、免許を返納すると車を売却するときに特典を受けられることがあるっていうのを見たなと」
中古車買取業者によっては、自主返納後に取得できる「運転経歴証明書」を提示することで買取金額が上乗せされることがあるんだとか。
さっそく、そのことを義父に伝えたミサさん。すると義父は「車を売っちゃえばもう運転することはないだろうし、特典も受けられるなら、返納しようかな」と、気持ちが変わったそうです。
その後、免許を返納した義父。それからは義母との2人旅では新幹線や飛行機などを使うようになり、車での旅行よりも遠くへ行けるようになったと喜んでいるそう。
「『長年トラックドライバーをしてきたからプライドがあったけど、視野が狭くなっていた。新幹線と電車を乗り継いだり、飛行機から街並みを見下ろしたりするのも、いいものだな』と、新しい旅の楽しみ方を見つけたようです」
次に話を聞いたのは、A県出身のリエさん(仮名・42歳)。実家は、一番近いスーパーまで車で約20分、通院している病院には約45分もかかる場所だそうです。
「山奥の田舎町なので、買い物に出るのも大変なんです。しかも雪国だから、歩いて移動なんてできない。完璧な車社会の地域です」
そんな場所に暮らすリエさんの両親は、どちらも77歳。リカさんは東京都内に住んでいますが、実家のある県内には兄(52歳)と姉(49歳)が住んでいます。
「県内に兄と姉がいますが、どちらも実家からは車で2時間以上かかるところに住んでいるので、頻繁に手伝うのは難しいみたいなんですよね」