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サウナで過酷な修行も…?カルト集団に20代を費やした女性が見た地獄絵図とは

―連載「沼の話を聞いてみた」― アメリカ発のカルト教団で、20代の時間をほぼすべて費やした女性Kさん。その団体を知るきっかけは、母親が経営していたエステサロンに教団が書籍の営業をかけて来たことだ。そして幹部が立ち上げたビジネススクールへ入学し、セミナーで出会った信者に誘われ、本部へ所属し、正式な「信者」となったのが前回までの話。今回は、教団で行われていた「プログラム」について聞いてみた。 【前回の記事】⇒カルト教団に月収10万円でこき使われる日々…。20代を搾取され続けた女性の苦しみ
カルト体験談202302-2a

※写真はイメージです(以下同)

入信すると早々に、精神のステージを高めることを目的にした「サウナに入るプログラム」が課せられるという。サウナは普通に気持ちよさそうだが……? と思ったら、大間違いだった。

「目覚め」「気づき」の強要

「まずはじめに、ビタミン剤のナイアシンを大量に飲みます。それで体が赤くなると、悪い反応だと言われ、大量の複合ビタミン剤を飲み5時間サウナに入りつづけます。これを、赤い反応が出なくなるまでくり返さなくてはなりません。いま思うと、こんなことを真面目にやっていたなんて、馬鹿らしくて笑えてくるのですが」 笑えるというか、5時間のサウナは血圧や脱水が心配になる。ナイアシンは、ビタミンB群のひとつで、血管を開く作用があるため、高確率で肌は赤くなる(「ナイアシンフラッシュ」と呼ばれている)。要は、よくある反応だ。 「肌の赤みに加え、何か精神的な体験……目覚めや気づきのようなものを得られないと、このプログラムから開放されません。体がつらいだけでなく、有料なのでお金もかかりつづける。そこでみんな、何かしらの体験を自分で無理やりこじつけるんですよね。私の場合は『視界がクリアになった!』です。単純に、道に迷って細い路地をさまよった末に、広い道に出て景色が開けたような感覚があっただけなんですが。それを神秘体験と解釈し、目の前が開けるような感動的な体験! という話に無理やり落とし込み、そのプログラムのクリアをもぎとりました」

「落伍者」になりたくない恐怖

「ほかの信者さんたちも、似たり寄ったりです。色彩感覚が上がったとか、フワッとした感じの体験談が多かった。急に英語がしゃべれるようになるとかの、奇跡はもちろん聞いたことありません」 「つらい修業から早く逃れたい」という気持ちに加え、そこをクリアしないと教団にふさわしくない落伍者と思われるのも怖かったという。この「落伍者」も教団特有の概念だが、世界平和統一家庭連合(旧統一協会)でいうところの、「教えに反する人=サタン」のようなものらしい。 サウナのプログラムについては、教団のHPではこう説明されている(以下要約)。「厳密な監督のもとで運動、サウナ、栄養摂取が行われ、十分な休息も含んでいる」「デトックスと、薬物の毒素による精神的影響が取り除かれる」ーー見ると聞くとは大違い。現場の実態は、ぜんぜん違うものだった。
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厳しい勧誘のノルマ。その「狩場」とは?
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。お気軽に、山田ノジルnojiruyamada@gmail.com まで、ぜひご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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