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これは沼る…BLドラマ『美しい彼』の“ひらきよコンビ”が尊い。シーズン2放送前に1話を振り返る

八木勇征に感じる“尊さ”

©「美しい彼」製作委員会 S2・MBS 八木勇征は、一度見たらすぐに人を虜にしてしまうすご腕の演技をする。そんな彼のあざと可愛い自然体が見事に発揮された作品が他にもある。『The Usual Night いつもの夜』(ABCテレビ、2022年)は、「FANTASTICS from EXILE TRIBE」のメンバーが共同生活をする体のフェイクドキュメンタリー。同作で八木が演じた誘惑の美青年は、まさに清居の延長として考えることができる。  たとえば第1話、ジェンガで負けた瀬口黎弥が罰ゲームで八木とキスをすることに。瀬口とのキスが決まるか、決まらないかの瞬間、八木はすでにキスの準備を済ませたかのように唇をふるわせる。ここにもまたあざと可愛いちょっと乙女な八木勇征を発見できる。  それが、自然(ドキュメンタリー風)を装ったフィクション(フェイク)の世界で活写されることが抜群に刺激的だった。そう、八木勇征という人はどこかフィクション的な存在というのか、私たちが生活する日常とはすこし違う次元で生きているような、そんな“尊さ”を感じさせる。

清居奏というファンタジー、八木勇征というネバーランド

©「美しい彼」製作委員会 S2・MBS 八木勇征は尊い。尊いからにはこれは重要文化財と一緒で強く守られなければならない。重要文化財としての彼の尊さを象徴するキャラクターである清居奏は、特にフィクション要素が強烈で限りなくファンタジーに近い。クラス替えの教室に清居が入ってくる瞬間がスローモーションになって桜の花びらが彼の頭上を舞っていたのはそのためだ。  このファンタジー世界を創造するため、八木が命を吹き込んではじめて清居奏は生まれ、立ち上がり、踊る。清居ファンタジーの主人公である平良の目にはだから清居しか映らない。彼は、宗教のように清居を信奉する。同じように私たち視聴者の目には八木勇征しか映らない。平良は、清居ファンタジーの住人としての厚い信仰心によってこの世界を守る。そして重要文化財としての八木勇征を視聴者の熱い眼差しが支える。  清居奏というファンタジーが、八木勇征というネバーランドに包まれているような壮麗な作品、それが『美しい彼』なのだ。待望の『美しい彼 シーズン2』がはじまったら、さらに多く視聴者の眼差しがこの“夢の国”(ネバーランド)を支え、守り、尊ぶことになるだろう。 <文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu
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