飲み会帰りに電車で吐いて嘔吐恐怖症に。電車に乗ると異変が…
「捨てる」「辞める」というと、モノや仕事、と分かりやすいものを思い浮かべがちですが、心にある「不安を捨てる」と、気持ちがグンとラクになります。
そんな経験を語ってくれるのは、古賀はるかさん(仮名・30歳)
「もともと慎重な性格のせいか、心配しすぎる癖がありました。やりたいことがあっても、失敗が怖くてなかなか勇気が出ないこともたくさんありました」
そんな古賀さんはある日、ショックな出来事を経験してしまいます。
「数年前、会社の飲み会から終電で帰る途中、急に具合が悪くなり、我慢できずに電車の中で吐いてしまったんです。わたしの周りからサッと人がいなくなりました。ショックで、すごく恥ずかしくて、涙が出てきました。うつむいたまま次の駅で、すみませんと言って逃げるように電車を降りました。駅員さんに具合が悪いことを伝えて、駅長室で横にならせてもらい、そこで号泣しました」
もともと完璧主義の古賀さんは、相当なショックを受けてしまいました。もし自分が周りにいたとしたら、汚いし臭いし、近寄りたくないし、とても迷惑だろうと思うと、余計に自己嫌悪に陥ってしまいました。
それ以降、古賀さんは、食事をした後に電車に乗るのが怖くなってしまいました。
「お酒を飲んだり、ご飯を食べてからすぐに電車に乗るのが怖くなってしまったんです。また吐いてしまったらどうしようと思うと、全身に冷や汗が出てきて、呼吸が苦しくなってしまうんです」
電車のみでなく、一度入ったらなかなか出られない場所、たとえば劇場などでも具合が悪くなってしまうことが増えました。大好きな歌舞伎も、幕間のお弁当を食べた後は、恐怖でパニックになり、劇場の外で休んだりするようになってしまったそうです。
「ネットで調べると『嘔吐恐怖症』という言葉が出てきました。また同じことが起こるのではないかという不安が強すぎて、パニックを起こしてしまうそうです。これは専門家に相談したほうがいいと思いました」
日常生活に支障が出て、あまりに苦しくなった古賀さんはカウンセラーに相談。自分でも心理学の本を読み漁ったり、心理の講座に通って勉強しました。
飲み会帰りに具合が悪くなり嘔吐
