Entertainment

NHK『大奥』、山本耕史の演技がうますぎる。“超ド級の告白”に失神

 第2シーズンの制作が発表され、さらに人気に拍車のかかるNHKドラマ男女逆転『大奥』。第7話では五代将軍徳川綱吉(仲里依紗)×右衛門佐(山本耕史)編が完結した。「私に恋をしているか?」と問い続けた綱吉は、己こそが思いを注ぎたい人だった。

煌びやかな着物に違和感、派手であるほど滑稽で哀しい

煌びやかな着物に違和感、派手であるほど滑稽で哀しい

(C)NHK

 徳子(綱吉)は幼き頃より学問が好きだった。しかし父の桂昌院(竜雷太)は「女に大事なのは器量と愛嬌」と説く。そして「いつか上様になったら、大奥中の男に恋をさせんとあかんで」と。この時点の徳子は舘林藩主だったが、家綱の早い死によって、やがて将軍の座が現実のものとなる。  煌びやかな着物に打掛、簪を常に身に着けている綱吉。第5話の初登場時、その堂々たる姿は、ため息ものだった。上品に輝くべっ甲はもとより、キラキラと短冊が煌めき揺れるビラ簪も美しかったが、次第にそこに違和感が生まれていく。第6話の、亡き松姫と対面した場面などは顕著で、短冊形のビラが二段に連なり、殊更大きく揺れる様が異様なほどだった。しっかりと丁寧に時を積み重ねていくメイクに対し、衣装が豪華で派手派手しくあればあるほど、次第に滑稽に、そして哀しみが浮かんでいく。

父・竜雷太の毒親っぷりがエグい

父・竜雷太の毒親っぷりがエグい

(C)NHK

 さて、森下佳子による脚本は、20年近く前にスタートしたよしながふみの原作を、現代にチューンアップさせている。『大奥』では“世継ぎ”に関する争いが続くが、第7話では、女性の「生理」に関する部分に大きな変更があった。執拗に妊娠、出産を求め続ける桂昌院に、綱吉は「私、すでに月のものがないのでございます」と告白する。すると、桂昌院は一瞬の逡巡もすることなく「ほな、なおのこと神仏にすがらんとあかん」と返した。原作では、桂昌院を哀れと思う綱吉が、女の身体を理解していないだろう父に、月のものがないとはっきりとは伝えない。ドラマでは、理解していない父が、そのうえで、娘をさらに傷つける。  桂昌院の中には、自分を拾ってくれた有功への思いと自分自身のことしかない。「わしはなんのためにお前をもうけたんじゃ!」と。相手を切りつける言葉を平気で放つ人は、相手が血を流していることに露ほども気づかない。これまでも、そしてこのあとも桂昌院は、徳子を切りつけ続ける。
次のページ 
山本耕史の告白に失神
1
2
3
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ