脂肪の増えすぎはこわーい“メタボ炎症”に⁉︎腸活から改善する方法って?
夕方、コンビニのホットスナックで小腹を満たし、寝る前はあま~いアイスクリームで心を癒し、月に一度は焼肉食べ放題で自分へごほうび――。そんな習慣がやめられない!という人は少なくないはず。脂ってホント、美味しいんですよねー。
とはいえ、やはりおなかについていく脂肪も気になります。昨年買ったデニムが入らないとか、人様にお見せできないとか、それはそれで問題なのですが……健康面でも気がかりなことが。
なんでも、たまった内臓脂肪が「慢性炎症」とやらを引き起こし、果ては重大な病気へと進行することもあるそうなのです。
「慢性炎症」とは、一体なんなのでしょうか? 福岡県みやま市にある工藤内科院長・工藤孝文先生に脂肪と慢性炎症の関係から、気になる対策まで聞きました。
工藤先生によると、「そもそも炎症というのは体を守ろうと免疫系が働いて生じる反応のこと」。でも、免疫の働きなら体にとっていいことなのでは?
「たとえば、体の中にウイルスや細菌が入って熱が出たり、ケガをして患部が赤くなったりしますよね。これは『急性炎症』といって、いわば、体が異物を退治しようと火災が起きている状態。異物がなくなれば火事=炎症も治ります。
一方、慢性炎症は軽い炎症がずっと続きます。たとえるなら体の中でずっと火種がくすぶっているような状態になるのです」(工藤孝文先生。以下カギカッコ内同じ)
やっかいなのは慢性炎症には自覚症状がないこと。知らない間に発生した“火種”が長~い時間をかけて体を傷つけていくのだそうです。で、その慢性炎症の発生源となるのが、ウイルスや細菌ではなく、主にたまってしまった内臓脂肪なんだとか。
「脂肪はエネルギーを貯蔵しているだけではありません。じつは内臓脂肪はホルモンを出す臓器でもあるのです。正常な状態であれば体に良い働きをするホルモンを出しているのですが、内臓脂肪がたまりすぎると分泌異常が発生してしまいます。インスリンを低下させて血糖値を上げる物質や、血を詰まらせる物質など体にとって悪いホルモンが増加。それらが、血流にのって全身へ運ばれて、各所で症状を引き起こすのです」
たとえば、慢性炎症が血管に広がれば動脈硬化になるし、膵臓であれば糖尿病を引き起こし、肝臓であれば脂肪肝や肝炎の原因に。さらにはがんや認知症との関係も指摘されているともいいます。
内臓脂肪が増えればメタボリックシンドロームになり、慢性炎症がよりたくさん発生。肥満への悪循環を引き起こして、生活習慣病へまっしぐら!? 慢性炎症はいわば「メタボ炎症」!「脂は美味しい~」なんて言っている場合ではありませんでした……。
では、体の中でくすぶっている“メタボ炎症”を“鎮火”させるにはどうしたらいいのでしょうか? やっぱり……食事制限? ハードな運動? ダイエット?
「もちろん、適量のバランスのよい食事と運動はとても大切です。でも、そんなこと、みなさんわかっていますよね。わかっているけれどできないのが問題の本質です。だとしたら、腸内環境を整えることから試してしてみてはいかがでしょうか」と工藤先生。
一見、遠回りな感じもしますが、腸内環境を整える腸活は“メタボ炎症”改善へのいいアプローチになるのだとか。
「最近の研究では、腸でも慢性炎症が発生することがわかっています。腸内環境が悪くなっても慢性炎症が起きるし、脂肪を溜め込む腸内細菌――デブ菌が増えて太りやすくなる。そして、太ると慢性炎症が悪くなります。このように腸と慢性炎症はかかわりあっていて、互いに原因になるし、改善へのアプローチにもなるんです」
慢性炎症の原因はたまった内臓脂肪!

工藤孝文氏
“メタボ炎症”対策、まずは腸内環境の改善を
「最近の研究では、腸でも慢性炎症が発生することがわかっています。腸内環境が悪くなっても慢性炎症が起きるし、脂肪を溜め込む腸内細菌――デブ菌が増えて太りやすくなる。そして、太ると慢性炎症が悪くなります。このように腸と慢性炎症はかかわりあっていて、互いに原因になるし、改善へのアプローチにもなるんです」
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