ギャンブル沼からの相談は、男性客が多かった。毎朝9時55分に電話をかけてくる常連客はパチンカー。

「どの台が出るか?」という予想を、Kさんに委ねるのだ。偶然出た数字に運を委ねたいのであれば自分でサイコロでも振ってはどうかと思うが、神社で賽銭を奮発して願掛けするようなノリなのかもしれない。
「その店にどんな数字のパチンコ台があるか知らないけど、頭に降りてきた数字を適当に言うのよ。たとえば、下一桁が3とか。すると『その番号はないんだよなあ~! あ、でもいつもと違う台選べってことかな? サンキュー!』と何かしらの結論を自分で出して、数分で切っちゃうの」
Kさんが登録していた運営会社は電話占いの最低利用時間15分からだったため(1分100円なので1500円だ)、効率のよいありがたい客ではあったという。「当たったよ!」と喜びの報告電話をかけてくることもたびたびで、口コミで広がるのか同じような利用客は結構いたという。そのお金でまた利用してくれるのだから、喜ばしい話なのかもしれない。
セックスワーカーからの整形相談もある。漫画「明日、私は誰かのカノジョ」(をのひなお著、小学館)のヒロインは整形沼のセンパイから実体験をもとにした有益なアドバイスをもらっていたが、整形に詳しいわけでもない占い師に相談して大丈夫なのだろうか?

「話を聞くと、店のNo.1になるための作戦も金銭面も施術内容もすごく計画的でよく調べてあって、目標もはっきりしている。彼女のなかではほぼ結論が出ているけど、最後のひと押しがほしいって感じだったかな。お金をもらっている以上できるだけ前向きなアドバイスをしたいから、誰かに言われて整形するとかではないかぎり、基本は応援してたよ」
ほかにも「不倫相手の子どもを妊娠したが、産むべきか」というものもあった。これもまた、結論は本人のなかで出ていたが応援されたいという気持ちだったようだ。
Kさんの話には「占い」の要素がほとんど出てこないが、利用客が求めているのは不思議な力ではなく、精神的な応援なのだろう。
「何かの沼にハマって電話してきた」とはやや事情が異なるが、こんな相談もあった。