そんなキャンプでしたが、彼氏としては大満足だったようで……。
「彼は、『こんな困難な状況でも、二人なら楽しめちゃうね』『最高の記念日じゃん』とか言っていたんで、きっと“自分は”楽しかったんだと思います」
でも、片倉さんは違ったんですよね。
「だから言ってしまったんです。『ひとりで盛り上がって、相手への気遣いもゼロ。それで“楽しめちゃうね♪”なんて、なにをどう勘違いすればそう思えるのかな♪』『
私ずっと笑ってないよね。気が付かなかった? ありえないくらいの自分勝手さが垣間見えて、まじでしんどい♪』って(苦笑)」

それまでの付き合いで積もり積もったものもあったのでしょうか。
「そう、それが今回のキャンプで溢れてしまったんでしょうね。彼も、私のまさかの反応に凍り付いていました。テンションが上がっていた彼とは真逆に、
私の彼への愛は氷点下まで下がっていました」
そ、そのあとは一体どうなったのでしょうか。
「女友達に連絡して、車で迎えに来てもらってそのまま帰宅しました。彼氏は、その後どうなったのか知りません。でも、共通の友達づてに、『
本当はあそこでプロポーズするつもりだった』『きみとなら、どんな困難でも乗り越えられるって改めて痛感した』ってメッセ―ジが来て……。
それから怒涛(どとう)の勢いで連絡がきましたが、全部スルーしてブロック。もう二度と会うことはないと思います」
氷点下まで冷めきった愛。悲しいかな、そのわだかまりは、春の雪解けでももはや溶けることはないでしょう。
―シリーズ「春のトホホ」―
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<取材・文&イラスト/赤山ひかる>
赤山ひかる
奇想天外な体験談、業界の裏話や、社会問題などを取材する女性ライター。週刊誌やWebサイトに寄稿している。元芸能・張り込み班。これまでの累計取材人数は1万人を超える。無類の猫好き。