主人公・小瀬(猿桜)を演じる一ノ瀬ワタルさんのヤンキー演技も、
まるで小瀬という人物が本当に存在するかのごとき自然さ。

Netflixシリーズ「サンクチュアリ -聖域-」独占配信中
1話見ただけでその世界観に取り込まれ、なにもかもどうでもよくなってしまう――つまり、細かな設定、コンプラ的な観点、女性の描き方などの違和感を「これはエンタメだから!」と役者や作品の力でねじ伏せている印象です。ごちゃごちゃ細かい指摘をするのが恥ずかしくなってしまうほどに。

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『SLAM DUNK』も、まだバスケがマイナースポーツだった時代に颯爽と登場し、キャラクターや作品の魅力でルールがわからない読者でさえも熱狂させたという歴史があります。『サンクチュアリ―聖域―』も、相撲界にとってそんな役割を担う作品になるのではないでしょうか。
相撲界を騒がせる小ネタがちりばめられているのも特筆すべきことのひとつです。八百長、星の貸し借り、親方同士の対立や暴力沙汰、かわいがり、タニマチとの関係など、
相撲に興味がなくとも(むしろ興味がない方が)ワクワクするゴシップ要素が満載です。

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例えば、“角界のプリンス”龍貴が所属する名門「龍谷部屋」は「貴」の名前があるように、旧藤島部屋(旧二子山部屋、貴乃花部屋)を想起させ、龍谷親方が宗教にハマっているのも、どこかで聞いたことがあるエピソードです。見た後、誰かと答え合わせをしたくなる、そんなネタがいくつも仕込まれています。