女優・前田敦子の「異常な存在感」…AKB時代、MVで見せた“無言の演技”もスゴかった
金子大地が育休中の刑事を演じる『育休刑事』(NHK総合)が、毎週火曜日よる10時に放送されている。
主人公の姉役として前田敦子が出演しているのだが、金子よりむしろ前田の方が「イケメンだな」と感じるのは、筆者だけだろうか?
「イケメンと映画」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、まるでエスパーのような「イケメン俳優」としての前田敦子を読み解いてみたい。
あえて言おう。前田敦子は、イケメンだと。
イケメンという言葉は、別に男性を指すためだけのものではない。むしろ、女性に対してもどんどん使われるべきである。「あの人、イケメン!」を今、一番率先して使いたくなるのが、前田敦子なのだ。彼・彼女を問わない前田のイケメンぶりには、特別な魅力がある。
2012年に卒業した「AKB48」時代を振り返るなら、その人気とカリスマ性は圧倒的だった。例えば是枝裕和監督が演出した「桜の木になろう」(2011年リリース)のミュージックビデオを見ると、バスの最後部座席でひとり佇む姿にはグッとくるものがある。芯の強さを感じさせる表情が、生来より備わっているように思う。
彼・彼女を問わないイケメンぶり
前田敦子の横顔の魅力
そんなグッとくる芯の強さは、アイドルから俳優となった現在、自由奔放で豊かな演技のスタイルとして結実している。 金子大地が育休中の刑事・秋月春風を演じるNHKドラマ『育休刑事』で、前田は、春風の姉・吉野涼子に扮する。第1話冒頭から、さすがは前田敦子と言わんばかりの表情を見せる。片岡鶴太郎演じる店主の質屋で強盗事件が発生する。犯人に銃を突きつけられた涼子が思わず、「え?」と横を向く。 この「え?」と横顔ぎみの表情に込められる軽妙さとタフさの両立こそ、前田特有の芯の強さだ。他作品だと例えば、ウズベキスタンでオールロケが行われた主演映画『旅のおわり世界のはじまり』(2019年)で、大きな湖に躊躇なく入っていく場面での横顔の精悍な表情が素晴らしかった。
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