Fashion

最強のおしゃれとは?世界的デザイナーが教えてくれた大事なこと2つ

武道館のショーの裏側にゴルチエ先生登場

 そんな憧れのゴルチエ先生に、学生時代、遭遇したことがあります。それは武道館で開催されたゴルチエも含むヨーロッパのブランドの合同ショーでのこと。  文化服装学院の学生は先生に指名されて、フィッターというモデルに服を着せる裏方として会場に派遣されます。私はフィッターリーダーとして武道館の舞台の袖で、引き連れてきたクラスメイトたちを仕切っていました。  服の着方がわからない、モデルがジャケットをなくした等々、みんなからのクレームを処理している最中、ゴルチエ先生がスタッフを従えて、大騒ぎしながら衣装がかかったハンガーラックが並ぶ舞台の袖にやってきました。突然のスターの登場に皆がしばしあっけにとられる中、ゴルチエ先生が私たちに向かって何か英語で発言しました。
 大した内容ではありませんでした。ただ、私は違う意味で衝撃を受けました。服のデザインとパターン、テキスタイルが完璧なら、英語がめちゃくちゃでもファッション業界はいいのだ、と。  情熱の注ぎどころを間違えなければ大丈夫。選択を間違えなければ大丈夫。そのときゴルチエ先生はそう教えてくれたのでした。

おしゃれな老若男女が集うゴルチエの舞台

(画像:株式会社キョードーメディアスプレスリリースより)

(画像:株式会社キョードーメディアスプレスリリースより)

 さて、ショーの当日です。自分の好きだった要素がぎゅっと詰め込まれたような舞台に見る前から大興奮していたにもかかわらず、諸事情により、飛び切りではなく、中途半端なおしゃれ具合で劇場に向かうことになりました。しかし会場に着いた瞬間、後悔しました。  そこには今までどこに隠れていたのかしらと思うような、おしゃれな老若男女が集っていたのです。  それぞれ他人とは全く違う格好で、ほかでは見られないおしゃれな人たちの、密度の濃い集まりというのは東京でもなかなかないもの。あまりに素敵だったので、みんながどんな格好をしているのか見学にロビーをうろうろしたほどです。
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ゴルチエから再びおそわったこととは?
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