Lifestyle
Human

小学校前から東大を目指した子たち、結果どうなったのか?結婚相手に意外な基準

知育教室沼202307③「お父さんは、世間一般で高学歴と言われるような部類です。そうした場合、子どもの成績が悪いと母親のせいにされると思うのでしょうか。もしくは、自分が果たせなかった夢を、子どもに託(たく)しているのか。 どちらにせよ、父親の存在を感じる家庭がすごく少なかった。前に早期教育仲間のお子さんが不登校になったとき、お母さんが心配していたのは『勉強が遅れるんじゃないか』だったんですよね。え、子どもの心を心配するんじゃないんだ…と、そのお母さんの精神状態も心配になりました」

子どもが選ぶ結婚相手とは?

歩さんが早期教育の沼を振り返ったいま、いちばん心配になるのは子どもたちの人権意識だ。 知育教室沼202307③「だって自分がまったく尊重されてこなかったのに、他人を尊重することなんてできませんよね。過剰な早期教育を押し付けられて育つと、勉強さえしてればいいんでしょう? みたいな気持ちにもなるんじゃないでしょうか。 いま、結婚している子どもたちもそれなりにいますが、そこですごく不思議に思っているのが、私たちみたいな教育ママに育てられて、名門進学校に行って東大入って就職して……みたいな人が選ぶ女性が、知性重視じゃなくて見た目重視に思えるケースが多いこと。 そうして子どもが生まれると、再びお母さんが子どもの成績を自分のせいにされては…と、早期教育に走りそう。そんな悪循環があるんじゃないかと思うんですよね」

母親の自己犠牲が求められる社会

早期教育を取り入れる親たち一人ひとりに、それぞれの背景があるだろう。それでも、子どもに関することはすべて母親の責任にされてきたことや、子どものための自己犠牲が美徳とされてきたことも、深く関係していそうだ。 親の焦りや不安を利用するビジネスは教育分野に関わらず山ほどあるが、「子どもを巻き込むということに、もう少し敏感になってもらえれば」と言う歩さんの言葉を、同じく子持ちである筆者も心に刻んでおきたい。 <取材・文/山田ノジル>
山田ノジル
自然派、○○ヒーリング、マルチ商法、フェムケア、妊活、〇〇育児。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のない謎物件をウォッチング中。長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこへ潜む「トンデモ」の存在を実感。愛とツッコミ精神を交え、斬り込んでいる。2018年、当連載をベースにした著書『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)を発売。twitter:@YamadaNojiru
1
2
Cxense Recommend widget
自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。「女子SPA!」のお問い合わせフォームより、ぜひお気軽にご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
あなたにおすすめ