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幼児教室ママたちの異様な熱狂。幼稚園児に「検定試験に向けてのガリ勉」は本当に必要?

「車で通っていた別のお母さんは時間がないからと、食事はいつもコンビニのパンですませ、車内で歯磨きをさせるのが日常。もちろん、この教室以外にもいろいろなものに通わせていました」 知育教室沼202307①有名幼児教室である七田式や速読トレーニング。音楽、体操、スイミング。習い事としてはめずらしくないものが多いが、そのコミュニティではすべてが「頭がよくなるから」という点が重要視されていた。 「なかでも驚いたのは、絵本の読み聞かせです。私の場合だと、昔好きだった絵本だからとか、早く寝てほしいからというのが、読み聞かせする理由です。ところがそこでは“知能のため”という目的がはっきりある」

音楽も波動も「知能」のため

「音楽も、聴くのが好きだからではなく、音楽で右脳開発して勉強ができるようになるため、です」 子どもの能力を磨こうとする母親たちの試行錯誤は、お稽古と表現できる範囲を、飛び越えていく。 知育教室沼202307①「スピリチュアルに傾倒している人が多かったのも、よく覚えています。“波動”という言葉もこのときにはじめて耳にしました。一般的にスピリチュアルというと、自分の内面と向き合うものという感じですよね。ところがそのコミュニティでは、“よい波動が来ると頭がよくなるらしいよ”になるんです」 そうした環境に置かれた、子どもたちはどうなのか。たやすく想像できるが、当然ストレスフルで、心身ともに追い詰められていたと思われる。 「授業のあいだの休憩時間が、とにかくすごかった。ストレスを爆発させるためか、阿鼻叫喚(あびきょうかん)の大騒ぎです。ものを投げ合って大暴れしていたり、嘘をつくなど意地悪ばかりする子どもも。子どもは自己中心的で元気なもの! なんて範疇をはるかに超えた異様さでした」

子どものストレス、親の熱狂

逆に静かだけど、目が死んでいる印象の子や、チックが出ている子もいたという。 「あるとき、特にひどく暴れてケンカした男の子に『大変だったね』と声をかけたら、すごいキョトンとしていて……親から、自分自身が重んじられている、大切にされているとわかるような声のかけられ方をした経験があまりないのかなと思いました」 その後、歩さんはその男の子には異常なくらいに懐かれてしまったそう。 知育教室沼202307①そうした惨状があろうと、教室側はビジネスだ。おかまいなしに、親をどんどんけしかけていく。毎月の成績を発表して上位者の名前を貼りだし、がんばりを可視化。達成感や競争心をあおっていく。
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早々に知育教室を退会した理由
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