「たまたま大きなケガをしなかったのは、不幸中の幸いでしたが、怪我をするほどの石を投げられたことは事実ですし、学校側もきちんと認識してほしかったので、校長に連絡して事情を説明しました。ですが『大変でしたね』のひとことのみ。ケガがないから、というのが理由で、あまり取り合ってもらえませんでした。石を投げた保護者と話したいと言うと、自分で電話してくださいと言われたんです」
学校の不誠実な対応にガッカリしながらも、せめて息子に石を投げていた事実を伝え、謝罪してほしいと佐野さん。

気が重いまま石を投げた子の保護者に電話したのですが…。
「1年生の子が、6年生から大きな石をもって追いかけられたら、それは相当怖いと思います。たまたま当たらなかっただけで、うちの子も石を投げられたことを伝えると『ああ、そうなんですね……すみません』と面倒くさそうに言われました」
あまりにも気持ちが入らない学校と加害者の対応に愕然とし、ケガをした子のママに事の顛末を話してみました。
すると怪我をした子への謝罪も、本当に形式的で心が入っていない謝罪だったそう。
角膜が傷つき、もう少し場所が悪かったら失明という事態だったのに、反省の色もない様子で、あちらも怒り心頭のようでした。
入学早々、事なかれ主義の学校と、子どものことに無関心な親に出会い絶望してしまった佐野さん。その後、その上級生とのトラブルはないまま大きくなりましたが、学校でのトラブルがあるたびに、事なかれ主義を痛感してきたといいます。
「とにかく大ごとにしたくない、という態度が見え見えで、学校には失望しました。卒業するときには、やっとこの小学校と縁が切れると思ってせいせいしましたもん」
子どもの成長を見守るはずの学校が、体裁を守るためにしか動けないという事実に直面すると、失望感は相当大きくなるもの。
子どもと接する大人こそ、子どもと真摯に向き合い、成長していく必要があるのかもしれませんね。
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<文/塩辛いか乃>
塩辛いか乃
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。
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