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Twitterを突然削除した理由に「真面目か!!」と叫びたくなる若手俳優。新ドラマでも魅せる“おもしろ俳優”っぷり

 若手俳優の中でも杉野遥亮は特に面白い存在だと思う。いきなりTwitterアカウントを削除したかと思えば、バラエティ番組で率直な心境を語ることも躊躇しない。
『ばらかもん』公式サイトより

『ばらかもん』公式サイトより

 ゴールデン・プライムタイム(以下、GP帯)連ドラ初主演を果たした『ばらかもん』(フジテレビ系、毎週水曜日よる10時放送)は、そんな面白俳優の“今”を考えるためには恰好のテキストとなるだろう。 「イケメンと映画」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、本作で“牛の宿敵”と目される杉野遥亮を徹底分析する。

基本はリアクションの演技

『スカム』公式サイトより

『スカム』公式サイトより

 杉野遥亮を考える上で重要なことはふたつある。まずひとつ目は、相手の俳優の演技を反射する鏡のようなリアクションだ。もっとも顕著な作品は、連ドラ初主演作にして、詐欺に手を染める闇の営業マンを演じた『スカム』(MBS、2019年)だ。  なんてことはない場面でのさり気ない一瞬のやり取りだが、よく目を凝らしてみよう。  主人公・草野誠実(杉野遥亮)に怪しい高収入アルバイトを紹介してきた親友の田中祥太郎(戸塚純貴)との会話。杉野は、戸塚の話に耳を傾けてコミットするようにうなづく。  これは上手いなと思った。相手俳優の感情を鏡のようにうまく反射させる。そうして自分はここぞというタイミングでリアクションする。相手への理解が基本だから視聴者にとっても親しみがある。  杉野はこうしたリアクションの演技によってスタイルを確立している。

『どうする家康』での絶妙な塩梅

 松本潤主演の大河ドラマ『どうする家康』でもこのスタイルがさまざまな場面で見られる。  後の「徳川四天王」のひとり榊原康政を演じる杉野は、弱虫から天下の将軍へ成長する家康に対してほとんど表情だけでリアクションする。  リアクションとともに知将としてのガッツあるアクションも忘れない。戦国武将を身近に感じさせる塩梅が絶妙だ。そしてこの役は特に、杉野の人間性も垣間見せているように思う。これが重要なことのふたつ目だ。  康政の初登場場面を思い出してみる。桶狭間の合戦後、家康(当時は松平元康)一行が大樹寺に入った場面。  庭の大木の上に寝そべっていた康政がまさかその後、家康の忠臣になっているとは。自由で気ままな人物像だが、芯を食ったような勇気も兼ね備えているあたり、杉野自身と当てはまる部分がかなりある気がする。
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気ままな正直者らしさ
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