知的障害のある女性が職場で「絶望した」理由に胸が痛む…周りの優しさが生んだ“悲劇”|ドラマ『初恋、ざらり』
9月1日に『初恋、ざらり』(テレビ東京系、金曜深夜24時12分~)の9話が放送。知的障害を抱える人とどのように接すれば良いのか、その問いを突きつける内容だった。

軽度の知的障害と自閉症のある有紗(小野花梨)は、自分の思う“普通”になるべく、運送会社の中で「配車」という新しい仕事に挑戦する。配車の仕事では先輩社員の天野(西山繭子)の指導の下、懸命にメモをとって業務を覚えようと意気込む。ただ、これまでは身体を動かす作業がメインだったのに対し、配車は瞬時の判断力や記憶力、全体を見ての調整力を問われる、有紗にとっては難易度が高そうな業務。
実際にミスが起こってしまうものの、天野は有紗の障害について知っている。有紗が頑張って取り組んでいる姿勢を見て、「自信を無くさせてはいけない」と思い、ミスがあっても有紗本人には報告せず。有紗が前向きに仕事に取り組めるように様々なフォローを見せる。とはいえ、実は天野は天野で夫との離婚を考えており、時間的にも精神的にも余裕があるわけではないのだった。
ある日、弁護士に相談へ行くために職場を空けなければならず、天野は有紗1人に業務を任せる。天野としてもホワイトボードにその日の流れを事細かに書き記しており、有紗もある程度仕事に慣れたと安心したのだろう。だが実際は有紗ひとりではどうにもできず、どんどんミスを連発してパニック状態に。しまいには椅子から立てなくなるほど意識が保てなくなる。
弁護士との相談中、配送のドライバーから現場が混乱していることを電話で伝えられ、急いで職場に戻る天野。なんとかフォローに入ることで事なきを得る。ただ、天野は有紗には配送は無理であると判断。それを岡村に伝える会話を、有紗は聞いてしまう。
こうして有紗の「普通になりたい」という希望は打ち砕かれ、「できないことが多すぎて苦しい」と自分自身に絶望する。8話で岡村は有紗が配送業務を担うことに反対していたが、残念ながら予想通りの結果となってしまった。
【8話の振り返りはこちら】⇒知的障害のある女性が、恋人の親に会って起こったこと。誰も悪くないのに…“悲痛な叫び”が胸にズシッ|ドラマ『初恋、ざらり』

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