“コロナ対策”で全部つぶれた子どもの行事「中止にする必要あった?」40代ママの怒り
約3年間続いた新型コロナ流行下では「不要不急のイベントは控える」という方針のもと、お祭りやイベント、コンサートなどさまざまな行事が中止になりました。
大人向けのイベント等は制限を設けながらも徐々に復活していた中、子どもたちの通う小学校や保育施設はより慎重な姿勢のところも多かったようです。この秋は「3年ぶりの開催」となった運動会を楽しむ親子の声がたくさん聞こえてきます。
子どもの成長を見届け、かけがえのない思い出にもなる運動会や遠足などの行事が何年も中止になってしまったことを、当事者の子どもたち、そしてその親はどう受け止めていたのでしょうか。
人類の歴史上、パンデミックは繰り返し発生しています。新型コロナ流行のような事態がまた訪れた時に備えて、ここで一度振り返りたいと思います。
高校入学の年にコロナ禍に突入し、そのまま高校3年間を過ごした息子を持つ佐藤さん(仮名・40代)は、この状況に疑問を抱いていた一人です。
「息子が高校に合格した矢先の緊急事態宣言には驚きました。そんな中でも、入学式は予定通り4月に開催の方向で予定されていました。なのに前日の夜になって突然『入学式中止のお知らせ』メールが届き、愕然(がくぜん)としました」
そこからしばらくの休校を経て、やっと始まった学校は、分散登校で10人ずつの登校で、滞在時間は2時間ほど。夏休み明けには再度の緊急事態宣言で休校になり、冬休み明けにもまた休校。1年生はほとんどまともに学校に行けないまま終わりました。
2年生以降も、予定されていた行事が突如中止になる、という事態が相次いだといいます。
合唱コンクールなどご時世を考えれば開催自体が難しそうな行事も、子どもに「大きな声を出さずに壁を向いて練習しよう」というようなおかしな練習方法で練習させ、ギリギリになって「中止します」との連絡が来る。そんな事態が相次ぎました。不信感が募った佐藤さんは、ついに学校へ意見メールを送ったそうです。
「学年の担当者からメールの返信がありましたが、それは保護者の気持ちに寄り添ったものとはとても思えませんでした。『子どもたちを守るために致し方ないのでご理解ください』のひとこと。ガッカリしました。合唱が好きな息子は、張り切って練習していたのに肩を落としていました。子どもたちを守るとは、いったい何から守るのでしょうか? 子どもの気持ちになって考えているようには思えず、怒りさえ覚えました」
行事をなんとしても実施してほしいわけではない。ただ、期待させて最後に落とすようなことはやめてほしいと分かってほしかったのに。「言うだけ無駄だった」と、佐藤さんは深いため息をつきました。
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写真はイメージです(以下同じ)
入学して1年目は、ほとんど学校へ行けずに終わった
「やるやる詐欺?」直前の行事中止、の繰り返し
