約10日間の入院の間、当時小学校3年生の息子の世話をどうするかについても家族と打ち合せをしておく必要がありました。
夫はサラリーマンですが、少しだけ出社時間をずらして、朝息子を学校に送りだしてくれることに。夕方以降は、同じ市内に住む私の母が家に泊まり込んで、息子の帰宅から夕飯づくりまでを担当してくれることになりました。
小さい子どもがいる中で入院となると、周りの人の助けをどうしても借りなくてはいけないと痛感。周りに親族がいなかったりすれば、それだけで治療が思うように進まないことだってあるはずです。
特に乳がんは、40代あたりから患者数が急増するため、まだ子どもが小さいママさんがかかることも大いにありえます。実際、小さい子ども連れの人が病院の診察待ちをしている姿もたくさん見かけました。
うちの場合は母が近くに住んでいて動けたことと、夫もある程度会社の融通がきいたので助かりましたが、そうでない家庭もたくさんあるでしょうし、今回のことで家族の助けを本当にありがたく感じました。

※イメージです
息子にも入院のことを伝えました。今まで、学校のお泊り会などの行事以外で離れ離れになったことがなかった私たち親子。10日間家を空けるなんて大丈夫かと、私のほうが心配でたまりません。
息子には、がんがわかった頃からかみ砕いて伝えていました。病気のことを子どもにあまり詳しく伝えない人もいるようですが、わたしはストレートにそのまま伝えたほうがいいと感じたので、次のような内容を伝えたと記憶しています。
「母ちゃんはおっぱいが『がん』になっちゃった。『がん』はほっとくと大きくなって死んじゃう病気だから、今のうちに悪い『がん』を取らなくちゃいけないんだって。
おっぱいを取るのに入院しなくちゃいけないから、行ってくるね。その間、おばあちゃんと父ちゃんがご飯を作って一緒にいてくれるからお留守番お願いね。帰ってきたら今度はものすごい薬で母ちゃんハゲちゃうらしいよ~(笑)。やだやだ」
ありがたいことに息子は、深刻になる様子もなくアッサリと「うん、がんばってね」と言ってくれました。
感受性の強い息子がだったので、どういう反応をするか心配だったのですが、あまりに淡白な息子の反応にほっとしつつも、逆に息子が内容を理解しているか不安になり「母ちゃん病気だし、いなくなるし、心配じゃないの?」と聞きなおす始末。
すると息子はサラリと「とりあえず手術で治るんでしょ、じゃあいいじゃん。心配してない」ととてもシンプルに解釈してくれていました。そして気付いたのです。実は寂しかったのは私なのかもしれないと。