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「膣トレすれば?」「きみは1円も稼いでないんだから」モラハラ夫が怖すぎて叫んでしまいそうに/『くすぶり女とすん止め女』

MEGUMIが企画・プロデュースしたドラマチューズ!『くすぶり女とすん止め女』(テレビ東京)が始まった。原案はふちいく子の人気エッセイ「くすぶり女のシンデレラストーリー」(梓書院)。
(画像;ドラマ「くすぶり女とすん止め女」テレビ東京公式サイトより)

(画像;ドラマ「くすぶり女とすん止め女」テレビ東京公式サイトより)

MEGUMIは1年前にも同じドラマチューズ!で『完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの』を手がけており、今回が女性応援ドラマ企画第二弾となる。 “くすぶり女”である山本郁子を演じるのは西田尚美。郁子は49歳、二児の母だ。夫・山本武は勝村政信が演じているのだが、この夫のモラハラぶりがすごい。郁子は、25年仕えてきたこのモラハラ夫と離れたいのだが、一言も反論すらできずにいる。

「抱いてもらってるだけマシ」モラハラ夫の支配で自信喪失

第1話のタイトルが、「○○より○○って思う人生って、どうよ?」である。 冒頭、いきなり夫婦のセックスから始まるのだが、夫の武はバーチャルでAVを観ているから、妻の顔も見ていない。うっかり妻が声を出すと「うるさい、気が散る」と言い、郁子は「ごめんなさい」と謝るしかない。完全に体を貸しているだけのセックス。それでも彼女は「抱いてもらってるだけマシ」と考える。 あげく、「膣トレすれば?」と言われて、それを知らなかったことを揶揄(やゆ)されても「会話があるだけマシ」と自分を納得させる。 夫が帰宅すると玄関まで迎えに行って鞄を受け取る。夫はただ一言「メシ」。それでも「家に帰ってくるだけマシ」と思う。夫は、妻が買い物をしたレシートと、スーパー2軒のチラシを照合する。こっちのスーパーのほうが安かったのに、どうしてあっちで買ったのだと責められる郁子。
自分が作った買い物リスト以外のものは買うなと言われても、買い物できるだけマシだと胸に納める郁子。食卓にお箸を置くのを忘れても、夫は何も言わず黙っているだけ。あわてて箸を用意したが、夫は「豆腐ハンバーグ」をまずいと言ってゴミ箱へ。 開いていた窓を閉め、鍵をかけてから説教しはじめる夫が怖い。そこから作り直しを命じられる妻。殴られないだけマシだとホッとする郁子。 そんな夫だが、幼い娘には優しい。誇張されてはいるが、こういうモラハラ夫は実在する。 短大を出て「お茶くみOL」をして結婚。夫と子どもに尽くしているうちに年月がたった。長年、夫に支配されているうちに、自分で自分を「能力がない」と自信をなくしていく。

「浮気は男の勲章じゃ」実家の両親は、外面がいい夫の味方

そんな郁子が動き出す。きっかけは全寮制の学校から突然、息子が戻ってきたことだ。 父親が出社した時間に帰ってきたのに、たまたま忘れ物をして帰宅した夫と鉢合わせしてしまう。息子にも支配的にふるまう夫を止めようとすると、「女は黙ってろ」と言われる。 学校をやめたいなら学費と、受験にかかった塾代など2000万をオレに返せと迫る夫。夫はおとなしくて優しい息子が気に入らない。その矛先(ほこさき)は妻に向かう。 「きみは1円も稼いでないんだから、子どもくらいちゃんと育ててよ」と言いながら、物を投げたり蹴飛ばしたり。観ている側がひいっと叫んでしまいそうだ。
郁子は決意する。「ママがアキラを守る」と。彼女は子どもふたりを連れて、福岡の実家へ。ところが実家の両親は、夫の味方なのだ。 これもまたモラハラ夫の特徴かもしれない。横暴なのは家の中だけ、外面が異常にいいから、周りはモラハラであることを信じてくれない。そもそも夫を怒らせる妻が悪いとさえ思われる可能性が高い。郁子の母はこう言う。 「高給取りで、東京の立派な会社に勤めているだんなさんに盾突(たてつ)くなんてありえんけん。黙って養ってもらうのが女のいちばんの幸せじゃけんね」 「浮気は男の勲章(くんしょう)じゃ」 75歳の母にとって、夫婦関係は「そういうもの」なのだろう。その影響を受けて育った郁子だが、自分だけならいざ知らず、子どもまで犠牲になることには耐えられなかった。それが世代の違いである。
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「妻は夫の所有物なんだよ」
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