
手術直前にうっ血防止の靴下をはく
執刀医の先生に「右胸全摘であってますね?」と確認され、そういえば寝ている間に切られるのかと思うと、間違われたら大変だと思って焦るわたし。
「右って、わたしから見て右ってことですよね? こっちですよね?」と再確認。もうちゃんと絵も描いてあるので大丈夫とは思うけど、何度も確認してしまいました。
本人確認とミーティングが終わり、いよいよ手術室に入ります。自分で台に乗るように言われた瞬間、アドレナリンがドバドバと噴出したようです。
怖いのをかき消すためなのか分からないですが、ナチュラルハイ状態(?)でとにかくワイワイキャーキャーはしゃぎながら、台の上に乗りました。
たぶんジェットコースターで叫ぶと怖さが半減するのと同じ感覚で、わざとはしゃいでいた気がします。静かになると急に怖くなりそうだったから、ノリで行ってしまえ! と。
手術台で麻酔をかけられる瞬間も、なんだかドキドキしながらも、麻酔科医の先生に「これっていくつまで起きてられますかね? 10秒持ちますかね?」と、どうでもいいことを聞いていました。
ですが、いざ麻酔が入ったら、1秒も数えられないで即落ち。そこからきっと手術が始まっていたはず……です。
全身麻酔で即落ちしたあとは、当然ですがまったく記憶がありません。どれくらい時間が経ったのかもわかりません。
ですが、肩をたたかれ、名前を呼ばれて起こされた瞬間、激痛が走って起きました。起きた瞬間「いだいっ! なにこれいたい!!! 麻酔効いてんじゃないの!?」と叫んだのが最初だった気がします。
手術の体感時間は、麻酔を打たれる瞬間から起きた瞬間まで、10秒くらい。本当に意識不明状態で何の記憶もなかったので、ラクといえばラクです。
全身麻酔から覚めたときは、少し前まで意識不明だったのに、起こされた瞬間から激しい痛みを感じるのがヘンだなと思いました。名前を言わされて意識が戻ったことが確認されると、休憩室みたいな場所に移動し、しばらく様子見。
「ヒマだなぁ痛いなぁ」と繰り返しながら、やっぱりウトウト現世とあの世を行ったり来たりする感じでした。