
我が家に欠かさず置いてあったのが、どら焼きやカステラなどの和菓子でした
その一つが、「和菓子」。当時の私や兄は、和菓子が大好きで、おやつにどら焼きやカステラ、栗まんじゅうを食べるのが楽しみでした。
高級な羊羹(ようかん)や生菓子ではなく、食卓に置いてあって自分で取り分けられるような気軽なものが多かったように思います。

豆大福、まんじゅう、おはぎを買ってきてもらえる日は特に嬉しかった記憶があります
これらの和菓子は、父が休日の買い出し時に買ってきてくれたり、仕事帰りの手土産として渡してくれるものでした。
和菓子はやさしい甘さのものが多いおかげで、身体への負担も少なかったのでしょう、勉強の集中力を持続させることができました。
父の「特製握り寿司」が、何よりのごほうびごはんだった

当時の握り寿司を、最近になり再現してもらいました
そしてもう一つが、「父特製の握り寿司」でした。
子どもたちが毎日頑張っていることを理解してくれていた父は、過剰な激励をすることなく、ごほうびごはんとして寿司を握ってくれたのです。
父は寿司職人ではありませんが、私にとっては技術よりも愛情のほうが嬉しく、休日の夕方に機嫌よく準備をしてくれている姿が、自分の励みにもなりました。
育ち盛りだった私達は、食べる量も多く、食卓いっぱいに寿司が並んだことを覚えています。マグロ、イカ、タコ、ヒラメ、ウニ、エビをはじめ、私が好きなシャコ、塩辛軍艦も用意してくれました。
父は母以上に「頑張れ!」というプレッシャーを感じる言葉を発することなく、気晴らしにお菓子屋さんに連れていってくれたり、休日の食事を大切に考えてくれる存在でした。また、「ママの教育スタンスに賛成している」という母への信頼感も子どもながらに感じることがありました。
父と母について美化しすぎるつもりはありません。人並みにケンカやストレスがお互いにあったとは思いますが、深刻化させないスタンスを両者が持っていたことは、親になった私自身が学ばせてもらっています。
以上、少しでもヒントになることがあればうれしく思います。さあ、もう少しで受験シーズンも終わります。なるべく平常心を持って、おいしい食事を食べて元気に乗り切ってくださいね! 応援しています!
<文/食文化研究家 スギアカツキ>