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慶應義塾大OBの34歳三代目JSBメンバーが、NHK番組で母校を訪ねた“意外なワケ”

デビューから14年目の今

「Best Friend's Girl」(rhythm zone)

「Best Friend’s Girl」(rhythm zone)

 では、その視線の先で彼は何を見たのか。あるいは、何を見つめたのか。小泉の日記や関係者のアルバムを見つめた岩田は、短く端的な感想にとどめる。その代わり、「うん」とか「はい」といった岩田特有のつなぎのフレーズで余韻をうむ。  番組ラストのインタビューで全体を振り返る岩田は、コメントの合間、画面上手に向けて視線を滑らせる。この岩田剛典的な仕草のクセによって伝わる真実味がある。  視線を動かし、何か思いをめぐらし、再び画面中央に視線を戻す。このわずかだけれど、確かな動きを見て筆者は思った。これは例えば、イスラエル国籍のパレスチナ人監督エリア・スレイマンが、『天国にちがいない』(2020年)で自演することでしかパレスチナ問題を描けないと思ったことと同様。  看過できないことが現実に起きているのを公人として伝える責任がある。祖父、父と続く慶応ボーイ岩田家という個人単位からも、小泉が塾長を勤めた14年間に思いを馳せる。  三代目JSBがデビューシングル「Best Friends’Girl」をリリースしたのが、2010年。自分もまたデビューから14年目の今だから考え、伝えられることがあるはず。岩田剛典フィルターを通して見つめる現実をぼくらがもっと考えなければ。 <文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu
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