Lifestyle

「エロい性的同意は可能」30歳ドラァグクイーンが“性教育反対派”に思うこと

“性教育反対派”の人たちに思うこと

ラビアナさん――反対派の人は性教育をどのように捉えているのでしょうか? あらゆる議論にいえることですが、従来の価値観から変わろうとすることに対して、多くの反対派の人たちはある種の恐怖心を抱いているように感じます。例えば、選択的夫婦別姓でいうと、反対派の人からよく聞くのが「家族の本来の形が崩れる」という声です。 そして、ネットの書き込みを見る限り、選択的夫婦別姓が当たり前になった世界で夫婦同姓を選んだ場合、逆に差別されるのではないかと恐れている人たちもたくさんいるのではないかと感じています。これは性教育にもいえますが、自分の中にある漠然とした価値観がぐらついた時、恐怖心を抱き、否定的な姿勢になるのではないかと予想しています。 ――変わらないことで安心感が得られると。 そうですね。知識は力ですが、知識を与えることで問題が浮かび上がり、従来の価値観から変わる動きが発生すると考えます。そのため性教育に反対派の人たちは、知識を与えること・与えられることに消極的になっている印象はあります。 そういう意味では、これはあくまで私の個人的な意見ですが、教育機関でお金や政治の話をしないのも、コントロールしやすい社会を維持するためだと考えられるかもしれません。

どこからどこまでがOK? 性的同意をとるときに考えたいこと

ラビアナさん――ここからは性的同意の話についてお話を聞かせてください。例えば、性交渉の際に同意を取るとなると、どこからどこまでを確認すべきかわからない人もいるかと思うのですが。 関係性は複雑なものなので、ルールブックで明確化できるようなものではありません。ただ、力の差、年齢差、経済的な差など、立場に上下関係がある場合は、それを認知すること、それを踏まえたうえで、立場が上の者が何がよくて何がダメかを考える力を身につけるべきだと思います。 ――あえて同意を取ることに不自然さを感じてしまう人もいるかと思います。 たしかに性的同意を取ることで「エロス」が損なわれてしまうことも懸念材料ですよね。私は「エロい同意の取り方」と言っているのですが、場の雰囲気を崩さないまま同意を取ることは可能だと思います。 個人的に実践していることは、否定系で質問することです。「してもいい?」という聞き方だと「NO」と言いづらい人もいると思うので、「今〇〇したくない?」「されたくない?」のように聞くことを意識しています。相手からすると、そういう気分でなければ「うん」と頷くことで性的行為への「NO」が伝えられますし、また「ううん」であれば、より能動的な「YES」を伝えられる聞き方だからです。
次のページ 
性的同意には非言語コミュニケーションも必要
1
2
3
4
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ