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なぜお笑いファンは芸人に「上から目線」なのか?元 M-1 ファイナリストも感じる“ファンとのいびつな関係性”

見た目の印象がノイズ化しない「自分の見た目に合った表現」が大事

舞台、劇場、シアター、公演――見た目の印象のノイズ化とは? 「例えば漫才で『相方に女の子を紹介してあげる』ってネタをしている芸人がいたとして。紹介する側が、あまりにも女の子の知り合いがいなさそうな見た目だと、このネタって成立しなくなっちゃうんですよね」 ――なるほど!「モテないのが悩み」なんてネタを、いかにもモテそうな見た目の芸人がやっていても然りですね。 「ネタが上手くハマらない芸人って、そういうところがそぐわっていないパターンが本当に多いんです」 ――M-1グランプリ2023チャンピオンの令和ロマンの髙比良くるまさんも、そのためにスキンケアに注力したり、アゴにヒアルロン酸を入れるなどのビジュアル改革をしていたと聞きました。新道さんの言っていた「ノイズ除去」に通じるものがあるように思います。 「芸人たちは顔ファン云々を語るよりも前に、『自分の見た目に合った表現』について考えることが大事だと僕は思いますよ」

ネタ考察ムーブメントもお笑い文化の盛り上がりの一つ

――顔ファン問題とは別の話になりますが、ネットでネタの批評や考察を展開している「ネタファン」の存在についてはどう思いますか?賞レースでのウケの量が増減するなどの弊害が起こっているようですが。 「芸人の立場として言うと、客にすでにネタバレしている状態でのパフォーマンス対策はぜんぜん可能だと思います。だから僕は現在のネタ考察のムーブメントを止めることはしなくていいという見立てですね。お笑い文化の盛り上がりの一つとして捉えています」 ――お笑いファンに対して多くの考察をしてきた新道さんならではの見解をたくさん聞かせてもらいました。そういえば、先日推している芸人からブロックされたファンの「例のnote」の件が広がったのも、新道さんがご自身のYouTubeで取り上げたことが発端といってもいいと思いますが、あれはどういう意図があっての配信だったのでしょうか。 「純粋にヤバそうだったから関わってみようと思ったんですよ。でも、結果的には意外とちゃんと人の話を聞ける人だったな、と。もっとヤバかったら直接会ったりしてみようと思っていたんですけど(笑)」 ――最終的には、かなり真摯に書かれた反省文のようなnoteをアップしていましたね。 「あのファンの方は、多くの人の目に晒されて自分を見つめ直すことができたんだと思います。実はすごくラッキーだったんじゃないですかね。 今回の件を通して感じたことは、『痛ファン』という存在は、すぐに『痛い』と結論づけるのではなく、過程をくんであげるのも大事であるということ。そこに至るまでの理由もきっとあると思うから」 ――ありがとうございました! <文&撮影/もちづき千代子>
もちづき千代子
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama
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