すかさず柚子さんは炒飯を注文しました。
「三浦さんは冷やし担々麺を頼んでいたので『
バカだな、ここは炒飯の名店なのに。でもそんなこと教えてやらないもんね』と心の中で舌を出しつつ、いつものように2人ともスマホをいじりながら全く目を合わせず、いただきますも言わずに食事を始めたんです」

そして楽しみにしていた炒飯を一口頬張った柚子さんは、あまりの衝撃に思わず目を見開いたそう。
「それが、
ビックリするほどマズかったんですよ。お米はパサパサで油分が全くなく、旨味もコクもない酷い炒飯で、何でこれがテレビ番組で取り上げられたんだろう? と不思議に思いましたね」
すると珍しく「ちょっと松田さん、俺がおかしいのかな? ちょっとこれ少し食べてみてくれない?」と三浦さんの方から話しかけてきて、どんぶりを差し出されました。
「三浦さんの冷やし担々麺は、丼に四角い氷が直に10個位入っていてスープが溢れそう。
もう見るからにマズそうでした。なので私も自分の炒飯を三浦さんに一口試してもらい、お互いにうなずき合うと、ほとんど残したまま会計を済ませてお店を出たんですよ」
その冷やし担々麺はスープが薄まっていてほぼ味がなく、胡麻の風味も肉味噌もなくただ少しのもやしと干からびたようなチャーシューが1枚トッピングしてあるだけの、とても担々麺とは言い難い代物だったそう。
「そのあまりのマズさに驚きすぎてアドレナリンが出たのか、
興奮状態になった私と三浦さんはすっかり饒舌になって、そのお店の悪口で盛り上がってしまったんですよ」
三浦さんの「大抵のものは美味しくいただく俺だけど、あの担々麺はありえない! 炒飯も……。あれはそもそも米の炊き方からして間違えている感じのマズさで米が可哀想だ。食事を残したのなんて何年振りか分からないし、ショックだよ」という意見に柚子さんは心底共感しました。
「私も食事を残すのが嫌いなので、本当にあんな料理を出す店が許せないし食材に謝ってほしいという思いでした。そして怒りでブーストがかかり変なテンションなった私たちはこのままでは気が済まないと意見が一致。
思いっきり口直しをして、この嫌な気分を吹っ飛ばそうということになったんですよ」