――作中では“台中に住みたい!”ともおっしゃっていましたよね。
まえだ: 1~2月あたりの台中に住みたいです。台中の夏は酷暑がつらいですが、冬は暖かいので、寒い日本を脱出してぬくぬくと過ごしたいです。住むことで、旅行するのとは違った目線で楽しめるのではないかと思っています。
――過ごしやすいとはいえ、住みたいと思えるのはよほど魅力的なのですね。なぜそう思うのか、台湾の魅力を改めて教えて欲しいです。
まえだ:食べ物がおいしくて、街歩きが楽しいからです。台湾は外食天国なので、つい外食続きになっても、先ほどお話した素食自助餐があると、栄養が偏らなくていいなと思います。加えて、台中は地面が平らで歩きやすく、川沿いに遊歩道があるので、私のような散歩好きにはうれしいです。
――日本と違う場所って、散歩するだけでも楽しいですもんね。
まえだ:そうですね。台中にはインドネシア人街やベトナム人街があり、台湾のなかでさらに異国を旅するような感覚も味わえます。日本統治時代の建物も素敵ですが、どちらかというと西区エリアの古い街並みが好みで。ノスタルジーをビリビリと感じます。
それから、台湾は街を歩くとセンスのいいカフェがあったり、お店に変わったお菓子が並んでいたりして、「なんだろうこれ…!」と興味をそそられることが多く、ミーハー心を満たしてくれます。見たことのない野菜が多いので、キッチン付きの物件で調理したいですし、スーパーで地元産のいろいろなバナナを買って食べ比べしたいです。日本で見かけるバナナは、概ねフィリピン産と台湾産ですが、台湾産のなかでも、いろいろな品種や産地があるんです。
――台湾は食も街も気候も魅力的ですね。
まえだ:何より治安がいいので安心できます。ぼーっと立っているだけで、「大丈夫?どこ行きたいの?」と話しかけられるくらい、台湾は人が親切です。平和に暮らせそうなので、Airbnbで短期滞在用の台湾物件を見るのも趣味に加わりました。
原動力は好奇心と、「旅の効能」を感じてきた経験から
――漫画を読んでいると非常に行動力がある印象です。ズバリその原動力はなんなのでしょう?
まえだ:見たことがないものを見てみたい!という好奇心に突き動かされることが多いです。具体的に行きたいところがあったり、会いたい人がいたりするときもあります。ただ、前々回の台湾行きは現実逃避からでした…!直前に嫌なことが続き、逃げだしたい気持ちで航空券を検索していました。
そうした特別なときでなくても、普段からスカイスキャナーアプリを開いて、行先を「すべての場所」にして検索し、安い順に並べて眺めるのが趣味です。「このくらいの金額でここに行けるんだー」と、見るだけで自由を味わえます。
――素敵ですね。
まえだ:99%が検索だけで終わりますが、単行本の冒頭のように、実際に行くこともあります。航空券をポチるのは、検索して眺める時間と地続きなので、私としてはそこまでハードルが高いとは感じていません。
そして、実際に旅に出て異文化のなかに身を置き、いろいろな価値観に触れると、悩みが形を変えたり、小さくなったり。違う道に気づくこともあります。そんな「旅の効能」を感じてきた私からすると、旅行は最も効果的な気分転換だと思います。
<取材・文/瑞姫>
瑞姫
1994年生まれ。奈良県出身。エンタメメディアでの芸能ライターとしての経験を経て、フリーランスのライターに。主にエンタメ・トレンド系の取材・インタビューを中心に、恋愛コラムの執筆を行っている。フォロワー数4.5万人のTwitterでは恋愛・美容系について発信する、インフルエンサーとしても活動中。漫画と散歩と猫が好き。
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