以前から銭湯や温泉の女湯に母親と一緒に入る男児に関しては、年齢制限に関する議論は活発に起こってきました。現在では多くの自治体で、女湯に入れる男児の年齢を9歳から6歳まで引き下げる動きが広がっているとも言われています。

幼稚園児から小学校低学年あたりの「男児」が、すでに性の目覚めがあるのかどうかは個人差がかなり大きいでしょう。そのため「〇歳から男湯に入るべき」という年齢制限は非常に難しい線引きになります。
ただ3~5歳くらいの男児が女性の体に興味を持って触るのは、性的な欲情や加害意識ではなく、単純な好奇心ではないでしょうか。これくらいの男児は、女性の胸やお尻はプライベートゾーンであること、相手の同意なく勝手に体を触ってはダメであることを教育していく段階です。
こうした男児の行動を一方的に「あいつらはすでに女性をそういう目で見ている」と断罪してしまうのは考えが行き過ぎているでしょう。
また赤ちゃんの授乳の時に、一緒に連れて来た上の子も授乳室に入るのは、母子だけで外出した際には一般的なことです。母子だけで外出した時、母親は男子トイレに入れないので、仕方なく女子トイレに一緒に行くケースも。
最近では男児への男性からの性加害の事件も少なくありません。そのため、公共の場で幼い男児を1人にさせておく危険性を考えて、母親と一緒に行動させるという事情もあります。
そもそも母親が女湯や女子トイレに男児を入れたり授乳室に同行させたりしているのは、父親の不在が引き起こしています。一緒に父親がいない、または父親に安心して男児の世話をお願いできないことも、原因のひとつではないでしょうか。
男児ママも積極的に女性専用のスペースに男児を連れて行っているわけではありません。本当は連れて行きたくないのに、仕方なく“連れ込んで”いる事情があります。
当該ポストは「男児ママってどこでも男児を連れ込む」として、その背景を想像することなく男児ママへの恨み節を綴っていました。子育ては母親だけでなく父親も一緒にやるべきもの。それなのに、男児の子育ての責任をすべて母親に押し付けているかのような物言いには違和感は否めません。