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SNSで話題の”こういうのでいいんだよ朝食“ が賛否を呼んだワケ。実際に作ってみてわかったことは

「こういうのでいいんだよ」の真意。
トースト

あわただしい朝にごはんを準備するのは大変。どんなメニューなら自分も家族も喜ぶのでしょうか?

 食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、食トレンド、スーパーマーケットやスタバ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。  先日、X上で投稿された朝ごはんのメニューが話題になっています。それは、とある女性が6月9日に投稿したもの。  丁寧に作られた大きめ三角おにぎりに、丁寧に焼き上げられた玉子焼き、ぷりっと香ばしそうなウインナー、具だくさんの豚汁が並んでいます。どのメニューも作り手の愛情が伝わってくるような丁寧さがあり、おいしそうなビジュアルに14万件のいいねが付き、1万件のリポストがつく反響になっています。  この投稿に対する反応をじっくり見ていくと、こういうので良いというか、こういうのが最高、どんな手の込んだ高級料理もこれには敵わないんだよな。という称賛コメントが多いものの、次第に自分の朝ごはんを卑下する投稿や、反論系まで広がっているではないですか。うーん、考えさせられます! そもそも朝ごはんはどうあるべきなんでしょうか?  そこでまずは話題の朝ごはんを実際に作りながら、「こういうのでいいんだよ」という認識ギャップについて考えてみたいと思います。そして作る側と食べる側、どちらも無理をしない“究極の朝ごはん”のあり方を探ってみたいと思います。

自分で作ってみたら、1時間以上かかった

筆者が作ってみた“こういうのでいいんだよ”朝食

筆者が作ってみた“こういうのでいいんだよ”朝食

 まずは作ってみました。  ごはんを炊いてにぎる、豚汁を煮込む、玉子焼きとウインナーを焼く。これらの調理を並行しながら進めてみましたが、豚汁30分、玉子焼き10分、ウインナー10分、おにぎり10分。ごはんを冷ます時間や盛りつけ時間を加味すると、1時間では仕上がりませんでした。  あわただしい朝時間に1時間以上かけてごはんを準備するのを大変だと感じる人は少なくないはず。家族共働きが主流の現代において、作り手の体調や忙しさを考えると、「こういうのでいいんだよ」という表現に違和感を抱くのはまったくおかしいことではないと、実際に作ってみた立場として主張したいことです。

特に大変なのは「豚汁」

朝から豚汁は幸せですが、準備する側は大変

朝から豚汁は幸せですが、準備する側は大変

 特に大変だったのは、豚汁。女性の投稿の豚汁は前日に義父宅でふるまわれたものの残りだったようですが、一から作るとなると早起き必至。前日料理を温め直すにしても、気温も湿度も高い季節ですから冷蔵庫保存などの留意にも必要になります。  ウインナーに切り目を入れる作業にも、集中力と時間が必要。1本10~15秒だとして、2~3分はかかります。  このような工程は、料理する側の時間的余裕や価値観によって多様であってよいはず。私は仕事柄、料理を苦にしないほうではありますが、だからといって手の込んだ料理が最高だとはまったく思いません。  大切にすべきは料理の出来栄えよりも、作り手の状況や立場のほうであり、このような工程をめんどくさいからやりたくないと感じる人がいても、まったくはずかしいことではないし、正常な感覚だと思います。やりたい人が食べる相手を想ってやれば素敵。それで完結です。
ウインナー

ウインナー1本1本に切り目を入れて焼き上げるの、大変だと思いませんか?

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賛否の理由は、料理ではなく言葉にあり
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