「生後8か月で亡くなった愛娘に合う仏具が見つからない…」ガラス仏具店を開店した女性の想い
遺影や仏具のあるスペースを“明るい場所”として
――お客さんにはどのような想いで仏具を届けているのでしょうか。
大切な人と話せない、触れられないことは、本当につらいことです。そういうつらさがあるからこそできる限りのことをしたいと思いますし、お客様がほしいと思うものを一生懸命考えて制作するようにしています。
大切な人を亡くした経験から、悲しみが再び襲ってくるのではないかと思ったり、家族の間で気を遣って話せなくなってしまったりすることは珍しくありません。ですが、故人にぴったりの場所があれば、たとえば「今日こんなものを買ってきたよ」という会話が生まれるでしょう。なので遺影や仏具のあるスペースは“明るい場所”として、お客様に提案したいと思っています。
――ご自身の経験からも仏具や仏壇という存在が、お子さんの死を受け入れるきっかけになったと感じていますか。
うちの家族に関しては、娘のための場所があることで、家族全員で娘を認識し、“仏様”という特別な存在ではなく家族の一員として受け入れています。私自身も、大きな変化があります。これまでは花を飾る習慣などは私にはなかったのですが、季節の花を仏壇に飾るようになりました。お盆には季節の野菜を使ったお盆飾りをするようになりました。娘がいろいろなことを教えてくれているような気がします。
亡くなった娘へ、今思うこと
山﨑穂花
レズビアン当事者の視点からライターとしてジェンダーやLGBTQ+に関する発信をする傍ら、レズビアンGOGOダンサーとして活動。自身の連載には、レズビアン関連書籍を紹介するnewTOKYOの「私とアナタのための、エンパワ本」、過去の連載にはタイムアウト東京「SEX:私の場合」、manmam「二丁目の性態図鑑」、IRIS「トランスジェンダーとして生きてきた軌跡」がある。また、レズビアンをはじめとしたセクマイ女性に向けた共感型SNS「PIAMY」の広報に携わり、レズビアンコミュニティーに向けた活動を行っている。
Instagram :@honoka_yamasaki
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